降圧剤の服用は長年続くことが多いが、副作用リスクもあるため、できる限り飲まずに済ませたい。『薬に頼らず血圧を下げる方法』(アチーブメント出版)の著者・加藤雅俊氏は、薬剤師でありながら「数値を下げるための薬」に否定的な立場だ。
「血圧の薬は身体の問題ある状態を治すものではなく、あくまで対症療法。高血圧の原因は病気か生活習慣か、あるいはほかの薬の影響かもしれない。そうした根本原因を見つけて解決しない限り、健康な身体は手に入りません。
それなのに検査の数値を見て『念のため薬を』という判断が入り口となり、ズルズル服薬生活に突入してしまいがちです。薬剤師として薬を出す以上、自己治癒力を高めて薬をやめられるところまで考えるのが仕事だと思っています」(以下、「 」は加藤氏)
そんな加藤氏が、血圧を下げるうえで重要だと説くのが、「心肺機能」「血管」「筋肉」だ。
「血圧は酸素を取り込み全身に行き渡らせる心肺機能や血管のしなやかさ、筋肉の状態を示すバロメーター。それらが衰えることで、血圧が上がります。スマホを見続ける若い人なども、猫背を続けて呼吸が浅くなれば酸素が十分に取り込めず血圧が上がりやすくなる」
裏を返せば、「しっかりした呼吸で筋肉を緩めたり縮めたりする」ことで、血圧低下が期待できる。その目的で考案された「ストレッチ」がある。
本誌『週刊ポスト』でこれまで紹介してきた「加藤式降圧ストレッチ」には多くの反響があった。加藤氏のストレッチを実践した人のなかには、3か月で収縮期血圧(上)が160台から110まで下がった50代女性もいたという。
加藤氏が「血圧が180以上と高い人」や「運動が継続しない人」のために「入門編」と言える「超簡単ストレッチ」を新たに考案(別掲図)した。