巷のキャンプブームとともにキャンピングカーの人気も高まっている。市場でも人気はここ10年でも右肩上がりで増加傾向にあり、昨年の新車・中古車の販売総額は762億円と過去最高を記録した(一般社団法人日本RV協会発表)。実際に所有するオーナーはどのようにキャンピングカーを活用し楽しんでいるのか。子育てから手が離れ、時間にもゆとりが出てきた世代の参考になる「キャンピングカーのある暮らし」を紹介する。
【お話を聞いた人】
千葉県・辻功吉さん(72)、福恵さん(67)夫妻(キャンピングカー歴7年)
【愛車】
ファンルーチェ・セレンゲティ(トヨタハイエースバンベース)
購入価格:800万円
定員:乗車7人/就寝5人(大人)+2人(子供)
国内のキャンピングカーの保有台数は年々増え続け、昨年は前年比9000台増の14万5000台。販売店への来店客の58.7%が50代以上といい、リタイア後の余暇をキャンピングカーで楽しむ人も増えている。
キャンピングカー歴7年の千葉県の辻功吉さん、福恵さん夫妻は昨年、「キャブコン」(トラックのキャブ=運転席を残し、荷台部分に居住スペースを架装したタイプ)を購入した。今回、昨年12月にオープンした千葉県柏市にあるRVパーク「WASHINOYA RV PARK」で愛車を拝見した。
「もともと車での旅行が好きで、以前はアルファードで車中泊していたのですが、手狭ですし、3泊目以降はホテルに宿泊するため長期旅行では宿泊代が高額に。それでキャンピングカーに買い替えることにしました。2台目のキャンピングカーとなる今の車は生活できる設備と空間が災害時にも対応でき、1台でマルチに使えるのがいいですね」(功吉さん)
スーパーへの買い物も家族の送り迎えもこのキャンピングカー。旅では、趣味の鉄道を撮りに行く時の車中泊が多いが、北海道を2週間かけて巡るなど年2回ほど長期旅を楽しんでいる。
「旅に出る時は冷蔵庫に野菜など食材を積んで、朝食にホットサンドを作りますが、これが美味しいんですよ!! 娘2人と一緒にグルメ旅にも出かけます。娘は運転席の上にあるベッドがお気に入りです」(同)
現在のキャブコンは展示車だった新古車を800万円で購入。「お買い得でした」と辻さん。1台目のキャブコンが480万円で売れ、2台目の購入資金に充てることができたという。
協力/くるま旅クラブ 撮影/中場敏博 取材・文/上田千春 ロケ地協力/WASHINOYA RV PARK
※週刊ポスト2023年10月6・13日号