ここ10年で右肩上がりの増加傾向にあるキャンピングカー人気。昨年の新車・中古車の販売総額は762億円と過去最高を記録した(一般社団法人日本RV協会発表)。実際に所有するオーナーはどのようにキャンピングカーを活用して、楽しんでいるのか。お話を聞いた。
【お話を聞いた人】
茨城県・森田義彦さん(58)、久美子さん(59)夫妻、オスカー(愛犬)。キャンピングカー歴7年
【愛車】
リンエイ バカンチェス・トランポ(トヨタハイエースベース)
購入価格:700万円(車体340万円+オプション360万円)
定員:乗車9人/就寝2人(大人)+2人(子供)
「焚き火したいと思ったらキャンプ場のある山へ行ったり、サップ(※スタンドアップパドルボードの略。マリンスポーツの一種)をしたいと思い立ったら湖へ出かけたりと、毎週末、キャンピングカーを稼働させています」
茨城県の森田義彦さん、久美子さん夫妻はキャンピングカー歴7年。バンをベースにした「バンコン」と、シャワーやボイラーも完備した大型の「モーターホーム」(購入価格1600万円)の2台のキャンピングカーを保有し、使い勝手のよいバンコンは普段使いでも活用している。
「この車は5ナンバーなんですよ。長さ4.7m、幅1.7mで、普通の自動車が通れる道ならどこでも走行できます。モーターホームは大型のため、入れない道やキャンプ場があったりするので事前にグーグルで調べてから出かけますが、バンコンはその心配がないですね」(義彦さん)
アウトドア好きの義彦さんは、選び抜いたこだわりのギアを揃え、職人手作りの焚き火台を持ち運ぶ。キャンピングカーにもこだわりが詰まっている。
「新車で購入する時、内装や装備はカスタマイズしました。愛犬が一緒なので、夏場に24時間稼働できるクーラーは必須でした。車体とオプションで計700万円。今年3月の納車まで、購入から1年9か月かかりました」(同)
8月は青森県を愛犬と一緒に4日間旅行し、焚き火仲間との交流も楽しんだ。森田さんがキャンピングカーに興味を持ったきっかけは、東日本大震災だった。
「茨城県に転勤して半年で震災に遭い、近くまで津波が来て地割れにも遭遇しました。防災の観点からもキャンピングカーの必要性を感じました。この車はソーラーパネルなど災害時にも対応できる装備にしています」(同)
いつか北海道をゆっくり旅するのが夢と語る義彦さんと久美子さん。
「それは定年後の楽しみにとってあるんです(笑)」
協力/くるま旅クラブ 撮影/中場敏博 取材・文/上田千春 ロケ地協力/WASHINOYA RV PARK
※週刊ポスト2023年10月6・13日号