国際情報

イーロン・マスクは何者か「パーティーでひとり寿司」「規格外な金の使い方」「独創的なファッション」…7つの真実

驚愕エピソードがどんどん出てくる(時事通信フォト)

驚愕エピソードがどんどん出てくる(時事通信フォト)

《私は電気自動車を一新した。宇宙船で人を火星に送ろうとしている。そんなことをする人間がごくふつうでもあるなどと、本気で思われているのですか》。読者に対する挑戦的な問いかけで始まるのは、この9月に発売されたイーロン・マスク氏(52才)の初の公式伝記『イーロン・マスク』(文藝春秋刊)だ。

 天才経営者、世界的長者、変人、嫌われ者──彼を一言で表せる呼び名は存在しない。総資産は約2400億ドル(約35兆円)を誇り、旧Twitterを買収して世界中の大ひんしゅくを買った。かと思えば、渡米後の大谷翔平の愛車はマスク氏がCEOを務めるテスラ社製のもので、2050年までに100万人の火星移住を本気で実現しようとしている。

 マスク氏は私たちの生活を根底から覆そうとし、実際、そうなりつつある。「知らない」では済まされない、マスク氏の素顔をのぞいてみよう。

【1】犯罪や殺人と隣り合わせの幼少期

 マスク氏の幼少時代は、血のにおいとともにあった。生まれ育った南アフリカ共和国は当時、誰もが安全安心に暮らせる場所ではなかった。銃やナイフによる凶悪犯罪がはびこり、街の至るところで殺人が起き、マスク少年は時に血だまりを踏んで歩いた。

 12才のときに参加したサバイバルキャンプのことは、《狂ってますよ。わけわかりません》と回顧する。子供同士が水や食料を奪い合ってでも生き残ることを迫られ、時には死人が出ることもあったという。

 家庭環境も壮絶だった。父親から理由もなく何時間も罵倒されるという精神的虐待を受け続けた。そんなマスク少年は心のオアシスを本の世界に求めるようになった。出合ったのは、ロケットの仕組みを詳しく解説した書物だった。

《あの本を読んで初めて、ほかの惑星に行くことを考えました》

 そこから、マスク氏の宇宙への挑戦が始まった。また別のお気に入りは、世界のために戦うスーパーヒーローの物語。マスク氏が、人類と地球を救うことに情熱を捧げ続けるのは、幼少期に読んだスーパーヒーローへの憧れが理由なのかもしれない。

【2】パーティーなのにひとりぼっち

 幼少期の経験は人格形成に大きな影響を与えた。

《彼のような子ども時代を過ごしたら、感情をシャットダウンする術を身につけるしかないと思います》

 伝記で、最初の妻・ジャスティンはそう明かしている。ジャーナリストの大西康之氏は、人が多く集まる場で内に閉じこもるマスク氏を目撃したことがある。

「あるホームパーティーで一緒になったことがあるんですが、彼はみんなの輪に入ろうとせず、ぽつんと会場の隅っこに座って黙々と寿司を食べていました」

 極端なマイペースさは、周囲の声をものともせずに事業を推し進める経営者にとって、必要な資質とも言える。

【3】寝袋持参で工場に泊まり込み

テスラ社製の車(時事通信フォト)

テスラ社製の車(時事通信フォト)

 マスク氏は、電気自動車の開発に励む一方、『スペースX』という航空宇宙メーカーも率いている。目指すは火星移住だ。ITジャーナリストで作家の竹内一正氏は驚きを隠さない。

「まったく異なる2分野の事業を並行して進めるなんて、これまでの産業史においてあり得ないことでした。その功績だけでも、彼が特別であることの証拠です」

 前出の大西氏は、マスク氏への取材のためアメリカにテスラ社の工場を訪ねたことがある。

「約束の時間に行ったのに、いないんですよ。担当者に尋ねると、2週間前から寝袋を持って工場のどこかに泊まり込んでいるから、いつ戻るかわからないんだと。結局、3日待っても戻ってきませんでした。その間、工場の技術者と図面を見ながらとことん話し合っていたんでしょう。そんなふうに仕事に向き合うから、周囲は彼をリスペクトするんだと思います」

 途方もない夢を自分が信じているのはもちろん、その夢は「叶う」と周囲に信じ込ませる力がマスク氏にはあるようだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《24歳の誕生日写真公開》愛子さま、ラオス訪問の準備進めるお姿 ハイネックにVネックを合わせて顔まわりをすっきりした印象に
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
韓国・漢拏山国立公園を訪れいてた中黒人観光客のマナーに批判が殺到した(漢拏山国立公園のHPより)
《スタバで焼酎&チキンも物議》中国人観光客が韓国の世界遺産で排泄行為…“衝撃の写真”が拡散 専門家は衛生文化の影響を指摘「IKEAのゴミ箱でする姿も見ました」
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン