昨年の新車・中古車の販売総額が762億円と過去最高を記録した(一般社団法人日本RV協会発表)キャンピングカー市場。実際に所有するオーナーはどのようにキャンピングカーを活用し楽しんでいるのか。子育てから手が離れ、時間にもゆとりが出てきた世代の参考になる「キャンピングカーのある暮らし」を紹介する。
【お話を聞いた人】
埼玉県・柴田倫生さん(51)。キャンピングカー歴1年
【愛車】
岡モータース ミニチュアクルーズ(スズキ エブリィバンベース)
購入価格:220万円
定員:乗車4人/就寝2人
軽バンや軽トラックなどの軽自動車をベースにした軽キャンパーは小回りが利き、車両価格や維持費、税金がキャブコンやバンコンよりも安く人気が高い。埼玉県の柴田倫生さん)は昨年10月、「軽キャンパー」を購入し、普段使いや家族との小旅行、1人での移動に活用している。
「キャンピングカーは子供の頃からの憧れ。敷居が高いイメージでしたが、ブームで多くの人が乗っているのを見て展示場へ行き、展示車のキャブコンを最初に購入しました。実はこの軽キャンパーはセカンドカーとして購入しました」(柴田さん)
立て続けに2台もキャンピングカーを買った事情を明かす。
「キャブコンでは大きすぎて妻が普段の買い物に行けないと分かり、ふだん使いの軽自動車を探していたら、1年落ち・走行距離1万kmの軽キャンパーが220万円で売り出されているのをたまたま発見。当初の目的から逸れるものの『これは掘り出し物だ』と即購入しました(笑)。新車で同様のオプション搭載だと400万円くらいするので、お買い得でした」(同)
コンパクトなボディの中に、複数の収納庫やシンク、ラック、三面鏡、テーブルなど装備がつき、機能的な工夫が凝らされている。ベッドマットは全長182cmあり、柴田さんは「足を伸ばして寝ても、後部ドアにぶつかることはない」と説明する。
小さなこの車は臨機応変に動きたい時や1人で出かける時、大きなキャブコンは家族で計画的に長期の旅行をする時と使い分けている。今夏はこの車で伊豆・下田に出かけ車中泊もした。
「たとえば『昨日テレビで見た名所へ行こう!』と急に思い立って動けるのが軽キャンパーです。この車だからこそ、すぐに気軽に出かけられるという魅力があります」(同)
協力/くるま旅クラブ 撮影/中場敏博 取材・文/上田千春 ロケ地協力/WASHINOYA RV PARK
※週刊ポスト2023年10月6・13日号