近年、世界中で食品添加物への懸念が高まっている。この一年だけでも、5月に米カリフォルニア州で「赤色3号」「臭素酸カリウム」「二酸化チタン」など5つの食品添加物を、健康上の理由から禁止する法案が成立間近だと報じられたほか、7月にはWHO(世界保険機関)傘下の国際がん研究機関(IARC)が人工甘味料「アスパルテーム」に発がん性の可能性があると発表。9月初旬には、仏ソルボンヌ大学などが加工食品に含まれる乳化剤は腸内フローラや腸の炎症に作用して、心血管疾患のリスクを増す可能性があると発表している。
そもそも食品添加物とは、食べ物の形状を整えたり、味の向上や日持ちをよくするためなどに使用される物質の総称で、現在日本ではおよそ830品目を認めている。だが、冒頭のように添加物の危険性は世界各国で指摘されているのが現状だ。薬食フードライフ研究家の沢木みずほさんは、「日本は食品添加物の制限において世界に後れを取っている」と指摘する。
「人体にとって毒となり得る危険な食品添加物を摂取し続けることで、免疫力が落ちて細胞が劣化し、病気になりやすくなる可能性が指摘されています。中にはがんや中毒、肝機能障害などとの関連が指摘されるものもあります。海外では禁止されているのに、日本で認められているものも少なくないのです」
国が規制しないのであれば、自分の身を守るためにどの添加物がどう危険であるかをしっかり知っておく必要がある。そこで本誌は、10人の専門家【※】へのアンケートをもとに「危ない食品添加物ランキング」を作成した。
【※10名の食と健康の専門家に「食べたくない添加物」を5つ挙げてもらい、もっとも食べたくないものから順に10点、9点、8点、7点、6点として計算した。
10名の食と健康の専門家→安中千絵さん(管理栄養士)、磯村優貴恵さん(管理栄養士)、大西睦子さん(内科医)、垣田達哉さん(消費者問題研究所代表)、郡司和夫さん(食品ジャーナリスト)、沢木みずほさん(薬食フードライフ研究家)、田中優子さん(田中病院院長)、中沢るみさん(管理栄養士)、浜本千恵さん(管理栄養士)、望月理恵子さん(管理栄養士/健康検定協会理事長)】
もっとも多くの識者が危険だと断じたのは肉や魚の加工時に用いられる「亜硝酸ナトリウム」。田中病院院長の田中優子さんが語る。
「食肉の色を鮮やかにする発色剤で、腐敗を防ぐ働きもあるためハムやソーセージ、イクラなどに用いられます。発がん性リスクが危惧されるほか、呼吸困難や血流障害を起こす恐れもあります」