♦「どなたさまもご苦労さんです」
事件後、テレビの取材に対し、免許の返納については「考えていない」と言い張ったA氏。近所の銭湯やスーパーに通っている姿も目撃されていて、認知症のような徴候は見られないというが、周囲からは不安の声が聞こえる。
「Aさんはもう長いこと回覧板も回らず、近所づきあいはほとんど無かった。なんというか個性が強い人で……自宅のポストには“どなたさまもご苦労さんです”というメッセージを置いていたり、今回事故を起こした自動車は軽なのになぜかベンツのエンブレムをつけていた。駐車場でも謎の中古物品を売っていたりした。運転はやめてほしいのですが、関係が絶たれているため、私たち近所の人が“危ないから免許返納したら?”と言っても難しいでしょうね」(別の近隣住民)
さらに別の近隣住民もこう語る。
「また車を運転されたらと思うと、怖くて仕方がない。どなたか一緒に住んでいる方がいるようですので、免許返納について説得してもらえれば助かるんですが……」
高齢者の運転はこれまでも大事故をたびたび招いたことで社会問題となってきた。2019年4月には池袋で当時88歳の被告が運転する自家用車が暴走し、3歳の女の子と母親が命を落とす凄惨な事故が起きている。事件後、免許返納は増えたというが、ニッセイ基礎研究所の調べによると、2022年の75歳以上のドライバーの免許返納率は4.48%で、前年より0.24ポイント低下しているという。
A氏に話を聞こうと自宅を訪れたが、電気などはついているものの反応はなかった。事故を起こした軽自動車は廃車にしたのか、駐車場には見かけられなかった。