「球界の盟主」がついに人心を一新──。巨人の原辰徳監督(65)が任期途中での退任を発表した。来季は阿部慎之助一軍ヘッド兼バッテリーコーチ(44)が指揮を執るが、泥沼から抜け出すにはどんな改革が必要か。V9戦士たちが緊急直言!
ポジションを「固定」すべき
「今年のジャイアンツはちょっと酷かったなあ。昨年と同じ成績に終わったということは、問題が整理されていなかったんでしょう。優勝した阪神と比べても遜色ないメンバーだっただけに非常に残念です」
そう嘆息するのはV9戦士の森祇晶氏。名将・川上哲治率いる巨人の「頭脳」と称された正捕手で、引退後は西武の監督として9年間でリーグ優勝8回(うち日本一6回)の実績を持つ知将である。
同一監督として球団史上初の「2年連続Bクラス」に終わった巨人。
原監督は3年契約の2年目ながら、道半ばでの退任となった。後任には原監督のもとでヘッドコーチを務め、後継者の最有力候補とされてきた阿部慎之助氏の昇格が決まった。
新監督としてチーム再建の重責を担うことになるが、「球界の盟主」へと返り咲くためには“原監督の失敗”から学ぶべきことは多いはずだ。
V9時代にスイッチヒッターとして活躍し、6度の盗塁王に輝いた柴田勲氏はこう言う。
「今季、開幕ダッシュに失敗したのは間違いありませんが、解せなかったのは坂本勇人(34)や丸佳浩(34)をスタメンから外したことです。調子が上がらなくても主力は根気よく使うべきだったと思います。レギュラー陣はドーンと構えさせて、“今シーズンはこのメンバーで戦い抜くんだ”という姿勢を最初に示すのが重要ですが、そこが間違いだった。原監督は何を焦っているのかと思ったね」
森氏は巨人の不動の4番である岡本和真(27)の起用法に疑問を呈する。
「ファーストを守らせたり外野に回したりと、起用法の意図がわからなかった。ほかの選手を活かしたかったのかもしれませんが、今のジャイアンツの中心は間違いなく岡本なんですから、ポジションを固定してプレーに集中させるべきだったと思います」