巨人の原辰徳監督(65)が4日、シーズン最終戦後のセレモニーで退任を発表した。原監督は3年契約の2年目での退任。来季は阿部慎之助一軍ヘッド兼バッテリーコーチ(44)が指揮を執る。今季、複数のOBから聞こえてきたのは、「原監督の試合後の談話が気になる」という声だった。
たとえば、9月26日のDeNA戦に敗れて2年連続Bクラスが決定的になると、原監督は淡々とこう語った。
「何かが足りないんでしょうね。このチームには」
また10月1日のヤクルト戦に1対0で勝利したあとはこう語った。
「もう少し打線が活発にならないといけませんね」
流行語にもなった岡田監督の「アレ」と比べ、他人事で味気ない印象を受ける。その語り口についてV9戦士であり6度の盗塁王に輝いた柴田勲氏はこう語る。
「たしかに原監督の言う通り、“何かが足りない”チームだから4位に終わったのでしょうが、それはファンや評論家が言うことであって、監督が口にする言葉ではありません。何が足りなかったかを突き詰めて考えて、それを埋めるのが監督の仕事です。責任逃れをしているようにしか見えないし、選手の士気にもかかわります。試合後の発言は、選手に自身の考えを伝えるという大切な意味もありますからね」
選手をいかにしてやる気にさせるかも監督の重要な役割のひとつだ。エースのジョーとしてファンに親しまれ、V9前半の巨人投手陣を支えた城之内邦雄氏もV9時代と比較してこう語る。
「川上監督は勝つことに貪欲で、見逃し三振や全力疾走しない選手には罰金を科し、逆に良いプレーをしたら賞金を出したので、選手は目の色を変えてプレーしました。
それと似たようなことをしたのが今シーズンの阪神・岡田監督で、四球もヒットと同等のボーナス査定にしました。その結果、四球の数が激増したことも阪神が優勝した一因です。第3次政権の原監督は長期政権のためマンネリ化して、選手をどう動かすのか知恵が足りていなかったのではないか」