ダボっと着た服でも隠し切れない筋骨隆々の肉体

ダボっと着た服でも隠し切れない筋骨隆々の肉体(2022年)

 チャンドラー社は2009年創業の新興メーカーで米国内でのシェアは5位だが、大谷はあえて同社のバットを選んだという。

「昨シーズン、ア・リーグのホームラン記録を更新し、今年も大谷選手とキングの座を争ったアーロン・ジャッジ選手が使用していることで一躍有名になりました。大谷選手も同社のバットが手になじんだのでしょう。

 昨年、不調時に大谷選手が『よみがえれ~』とばかりにバットに心肺蘇生のマッサージを施す姿が話題になりましたが、今年のWBC期間中には新しい相棒に愛情を注ぐかのように、バットにキスをする姿がキャッチされています」(前出・スポーツ紙記者)

 日本でチャンドラー社の販売代理店を務める、株式会社エスアールエスの宇野誠一社長は、「メジャーの中でも硬く、反発力が高いバットという評価を受けています」と製品の特徴を語る。実際、大谷自身もその硬さを実感した瞬間があった。

「キャンプ中から新しいバットを試していた大谷選手が練習中、メーカーの担当者に『It’s so hard』と話していたんです。本人がそう漏らすのを聞いて、やっぱり硬いんだと思いましたね」(前出・四竈氏)

 抜群の反発力で大谷のホームラン王を後押ししたチャンドラー社だが、ほんの4年前、同社は経営難から破産寸前の危機に陥った。そこに救いの手を差し伸べたのが、当時、現役メジャーリーガーだった現オーナーのヨエニス・セスペデス氏だ。

「チャンドラー社のバットを愛用していたセスペデス氏は、『このメーカーを残したい』と私財を投じて同社を救済。現在もこだわりのバットをメジャーリーガーたちに供給しているのです」(前出・スポーツ紙記者)

 冬の時代を乗り越え、いまではメジャーの長距離打者に“指名”されるほどのメーカーになったチャンドラー社。4年前に倒産していたら、大谷も偉業をなし得なかったかもしれない。前出の宇野氏によれば、大谷効果で「日本国内での問い合わせが3倍ほどに伸びている」という。来シーズンは日本球界でもチャンドラー社のバットを愛用する選手が増えることになりそうだ。

※女性セブン2023年10月26日号

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