大谷翔平(29才)にとって、前人未踏であることは、何ら意味をなさないのではないか。そんな圧倒的なシーズンが終了し、またひとつ快挙が達成された。日本人メジャーリーガー初のホームラン王に輝いた大谷について、現地で取材を続けるジャーナリストの四竈衛氏が語る。
「日本人のホームラン王はまさしく偉業ですが、アメリカでの関心はすでに、大谷選手が満票でMVPを獲得するかどうかに移っています。9月はほとんど試合に出られませんでしたが、それでもホームラン王を獲得したわけですから、『史上最高のシーズンだった』と表現する米メディアもたくさんあります」
所属するロサンゼルス・エンゼルスは9年連続でプレーオフ進出を逃したが、投打での大谷のパフォーマンスは今シーズンのメジャーを席巻した。そんな大谷について、四竈氏はプレーヤーとしてひとつステージが上がったと表現する。
「WBCで先頭に立ってチームを引っ張る経験をして、違うステージに入ったように感じます。決勝の前には『今日だけは(相手のメジャーリーガーを)憧れるのをやめましょう』という名言がありましたが、ああいう一言が出てくることが、彼の中で自分の背中を見せるという自覚が出てきた証だと思うのです」
たしかにシーズン終盤はけがの影響で出場できなかった大谷だが、同僚にアドバイスを送り、ベンチで味方を鼓舞するリーダーとしての振る舞いを目にする機会が増えた。さらに、そんな大谷の傍らには、今シーズンから新たな“パートナー”も加わった。
「今年からニューバランスと契約を結び、野球用品一式を同メーカーに統一している大谷選手ですが、バットだけは例外的にチャンドラー社という専門メーカーと契約を結んだのです」(スポーツ紙記者)