臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、煌びやかな衣装で賑やかに俳優の松平健(69才)歌い踊ることで知られる『マツケンサンバ』がいま、改めてブームとなっていることについて。
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秋の運動会シーズンが到来、近所の小学校でも先日、運動会が開かれていた。グラウンドから流れてきたのは、俳優・松平健さんの『マツケンサンバ』。大きな歓声があがる。グラウンドをのぞくと、曲に合わせて低学年の玉入れが始まっていた。
ネット上でも昨今話題のこの玉入れは、悪魔的組み合わせと称されるほどユニークだ。キンキラの衣装を着た先生が輪の真ん中でカゴを背負い、曲に合わせて『マツケンサンバ』を踊る。子供たちはその動くカゴを狙って玉入れをするのだが、歌がサビに入ると玉入れを中断し、子供たちも一斉にサンバを踊るというものだ。噂には聞いていたが、実際にその現場を見ると、子供も大人も楽しげで、普通の玉入れより何倍も盛り上がっていた。
『マツケンサンバ』の最初のブームは今から20年ほど前。次にブームがきたのはコロナ渦だった2020年。ネットを中心に松平健さんのYouTubeチャンネル「マツケンTube」から配信された動画が注目を集めはじめると、JRAのCMとコラボ。世の中に漂っていた閉塞感を吹き飛ばすように、陽気なサンバのリズムがあちこちで流れた。見た目の華やかさに軽快で楽しいリズム、それに老若男女誰でも踊れる振り付けが合わさっていたのだから、ブーム再来も当然だった。
だがここまでくるとは想定外。10月3日に発売された少女漫画雑誌『ちゃお』の11月号に、キンキラ衣装の松平さんが登場、ネット上で爆発的な話題を呼んでいるというのだ。『ちゃお』の読者は、もちろん少女たちで、彼女たち向けに構成された誌面と付属する豪華な付録が人気だという。