パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム武装組織ハマスがイスラエルに奇襲を仕掛けてから1週間が経とうとしている。国連は、日本時間10月12日深夜にイスラエル軍から“ガザ地区北部の全住民が24時間以内に南部に避難すべきだ”とする通告を受けたことを発表しており、イスラエルが報復のための地上攻撃の準備を進めているとみられる。10月13日時点で、双方の死者は2800人を超えたと報道されている。
ガザ近郊で行われていた野外音楽フェスが、ハマスによる侵攻の標的のひとつとなった。国際ジャーナリストが解説する。
「音楽フェスは、ガザとの境界から約5キロの距離にあるイスラエル側の砂漠で行われました。ブラジルで行われている人気音楽フェスのイスラエル版として開催され、アメリカやドイツ、タイなどさまざまな国から若者を中心に最大4000人が集まったとみられています」
ハマス戦闘員は観客を次々と襲い、会場周辺に残された遺体の数は少なくとも260以上であることが報告されている。平和だったはずの音楽フェスで何が起きたのか。命からがら生き残った参加者が、メディアの取材に答えている。
「イギリスの老舗タブロイド紙『デイリー・メール』が、友人同士でフェスに参加したという20代のイスラエル人男性にインタビューしています。一晩中盛り上がって朝日が上る頃、急に音楽が止まり、ただちに退避するよう拡声器で警告されたそうです。その頃にはもうハマスの戦闘員が会場を取り囲んでいたのです。
参加した5人のうち、彼自身も含めた2人が生き残り、2人が殺され、もう1人は行方不明のままだそうです」(前出・国際ジャーナリスト)