警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、「絶滅危惧種」となったヤクザが考える人生の終着点について。
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「ヤクザは絶滅危惧種」と語ったのは、長年に渡り山口組の顧問弁護士を務めてきた山之内幸夫・元弁護士だ。2017年に出版された著書は『日本ヤクザ「絶滅の日」-元山口組顧問弁護士が見た極道の実態』(徳間書店)という題名がつけられ、ヤクザが絶滅に向かっていることを印象づけた。
「日本のヤクザは絶滅危惧種なのか」、日本の暴力団事情について海外の人達に話をすると、時々このような質問が返ってくる。「日本からヤクザがいなくなれば、そこに海外のマフィアや別の犯罪グループが入り込むのではないか」と彼らは危ぶむ。警察の頂上作戦や取締強化により、暴力団はその勢力を縮小しつつある半面、半グレや外国人の犯罪グループなどによる事件が絶えないことも理由である。
警視庁のある幹部もヤクザは「風前の灯で消えるのは時間の問題」と話す。「暴力団は肩身の狭い思いをしている。半面、組など組織を持たないネットつながりの集団が幅を利かせている」という。他の警察幹部は「ネット社会になり、世界各地の距離が縮まったことで、犯罪グループが多様化し、ヤクザも今までと同じでは生き残れない。たとえヤクザが幅を利かせていても、他の組織は入り込む」
当のヤクザも自分たちを絶滅危惧種だと感じているらしい。「他の組織や犯罪集団が入ってこようが、俺たちの生き方には関係ない。ヤクザはもともと強くなければ、稼ぐ力がなければ淘汰される生き物だ。社会からあぶれた者、はみ出した者を受け入れ、まとめて統制してきた。行き場のなくなった輩の居場所になり、無法者を組のルールで抑えてきた。だから自分たちのことは必要悪だと思ってきた。それが通じなくなったのなら、時代の流れに逆らうことはできない」と、関東を拠点に活動する暴力団組織の組長はいう。