バイクに乗せられて泣き叫ぶ女性。パートナーだろうか、ひとりの男性に向かって助けを求めるように手を伸ばすが、彼もまたほかの男たちに拘束されていたせいで、女性が連れ去られるのをただ見ていることしかできなかった──。
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム武装組織ハマスがイスラエルへの大規模攻撃を開始してから1週間以上が経った。イスラエル軍も報復としての空爆を行い、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、「これは始まりに過ぎない」とさらなる攻撃を示唆。イスラエル軍による地上侵攻への緊張が高まっている。10月16日時点で、双方の死者は4000人を超えたと報じられている。
ネット上では、現地の惨憺たるありさまをとらえた写真や映像が拡散されている。世界的に注目を集めたのが、女性がバイクによって連れ去られる瞬間を撮影した前出の動画だ。この女性は、イスラエル人のノア・アルガマニさん(26)。彼女が訪れた音楽フェスが、ハマスによる攻撃の標的のひとつとなってしまった。
「音楽フェスは、ガザとの境界から約5キロの距離にあるイスラエル側の砂漠で行われました。ブラジルで行われている人気音楽フェスのイスラエル版として開催され、アメリカやドイツ、タイなどさまざまな国から若者を中心に最大4000人が集まったとみられています。
会場周辺に残された遺体の数は少なくとも260以上だと報告されています。人質として連れ去られた観客もいるようです」(国際ジャーナリスト)
ノアさんは無事なのか。国際ジャーナリストは、「ガザで生きているという情報があります」と語る。