首相が防衛増税や少子化対策の社会保険料引き上げを撤回せずに、口では「減税、社会保障負担の軽減」というのは、それが財務省にそそのかされた増税のための“偽装減税”だからに他ならない。経済ジャーナリストの荻原博子氏が指摘する。
「そもそも岸田さんは消費増税しないと言ってきましたが、この10月のインボイス導入によって、免税されていた年商1000万円以下の人から消費税を徴収するようになっているので、事実上の消費増税を行なっているのです。
税収増を本当に国民に還元するというなら、一時の減税や給付金ではなく、恒久減税にするべきです。10兆円の税収増を全部消費税で還元するならずっと税率6%に下げられるし、所得税なら税率を半分にできる。そのくらいしないと還元とはいえない。選挙向けの一過性のバラマキなら国民は納得しませんよ」
国民への誤魔化しは通用しない。財務省に操られる岸田首相も、操る財務省もそれを知るべきだ。
※週刊ポスト2023年10月27日・11月3日号