臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、タレントで女優のMEGUM(42才)と離婚することを発表したロックバンド「Drogon Ash」降谷建志(44才)による不倫釈明のレトリックについて。
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彼のいう”付き合う”ということについての「レトリック」はどうなっているのか。10月15日に公開された文春オンラインの『「(不倫は)重々承知でございます」 MEGUMI(42)夫”Dragon Ash”降谷建志(44)に”衝撃不倫&別居”を直撃「メグとは連絡は取ってますよ」「A子とは降谷の自宅で」はい。会ってます』という記事を読んで、そう思ってしまった。
別居や離婚協議をしていることが明らかになったのは、タレントのMEGUMIと夫である降谷さん。原因は降谷さんの不倫だという。記事には、降谷さんが「週刊文春」の直撃取材に応じた時のやり取りが載っているのだが、その内容にひっかかった。降谷さんは不倫関係にあるファンで一般人の女性を自宅に招いて、関係を続けていることをあっさり認めたと書かれていた。それを読み、潔いと感じつつ”そうか、この2人は付き合っているんだな”と思ったのだが、彼の答えはそうではなかった。
「このままお付き合いされていくのでしょうか?」という記者の質問に、「そもそも付き合ってはないです」と答えたというのだ。そう言われれば“この女性とは浮気ってこと? 遊びの関係を続けているのか”と思うものだが、それも違った。お付き合いはしていないのかと突っ込んで尋ねる記者に、降谷さんは「(MEGUMI)と別れてからきちんと付き合うっていう約束のもと一緒にいるという形ですね」と答えている。
“どういうこと??”、この発言にこちらの理解が追いついていかない。潔いと感じた感覚が薄れていく。身体の関係を持ちながら一緒にいるのに、付き合っていないという。世間ではよく恋愛は約束、結婚は契約といわれる。約束という言葉を使っていることを踏まえると、恋愛としては成立しているのだろう。しかしそうなると、不倫関係の継続を認めているのに「きちんと付き合う」と「付き合う」の違いは何なのだろう。