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【藤井聡太八冠の伝説】電車の中で“目隠し将棋”、小4で『竜馬がゆく』読破、中3で50m6.8秒の俊足

破竹の快進撃が続く藤井聡太(時事通信フォト)

小学生・中学生時代にも伝説があったという藤井聡太(時事通信フォト)

 10月11日、第71期王座戦五番勝負第4局で永瀬王座に勝利し、藤井聡太竜王・名人(21才)が前人未到の八冠制覇を成し遂げた。長い将棋の歴史のなかでタイトルを独占したのは藤井が4人目となる快挙で、直近では1996年の羽生善治九段(53 才)までさかのぼる。現在は羽生九段のときよりもタイトルがひとつ増えており、八冠達成は史上初だ。

 藤井は2002年7月、愛知県瀬戸市に生まれた。父親の正史さんは大手メーカーに勤めるサラリーマンで、母親の裕子さんは専業主婦として藤井と4才年上の兄を育てた。両親は子供の自主性を尊重し、子供自身が主体性を身につける「モンテッソーリ教育」を取り入れた幼稚園に藤井を通わせた。裕子さんは過去に本誌『女性セブン』の取材(2017年5月11・18日号)にこう答えている。

《通っていた幼稚園がモンテッソーリ教育を取り入れていて、個人個人、園児の個性を大切にしてくれました。小さい頃の聡太は、外で遊ぶのが大好きで、活発でしたね》

 自宅近くの住民もヤンチャだった藤井を懐かしむ。

「かけっこが速く、町内会代表で運動会ではいつも1等賞。家の前でよくお父さんやお兄さんとドッジボールの練習をしていました。訪問先のおうちにあるお菓子をこそっとつまんで逃げて、『コラーッ』と叱られてもニコニコしている。そんなお茶目な一面もありました(笑い)」

 実は藤井は陸上が得意で、中学3年時には50m走で6.8秒を記録。俊足の持ち主なのである。まさに“天は二物を与えた”わけだが、そんな天才が将棋との運命の出会いを果たしたのは5才のときだった。

「母方のおばあちゃんである育子さんから駒を見せられたことをきっかけに将棋を始めました。彼はすぐにやり方を覚えて、おばあちゃんを打ち負かすようになった。それから代わっておじいちゃんの訓一さんが相手をするようになりましたが、すぐに孫に歯が立たなくなったそうです」(藤井家の知人)

 藤井が幼稚園時代から約5年間、通っていた地元の将棋教室「ふみもと子供将棋教室」を運営する文本力雄さんが語る。

「ここにはお母さんとおばあちゃんに連れられてきましたが、丸いおでこに赤くぷっくりしたほっぺたがかわいらしい幼稚園児でした。将棋盤を使わず、頭の中で駒を配置して展開する『目隠し将棋』が大の得意で、電車の中でも目を閉じて“想像上の駒”を動かしていました。幼稚園児のときから『この子は違うな』とわかる子で、たった1年で教室独自の段級位制で20級から4級まで昇格したのは、後にも先にも聡太くんだけです」

 小学4年生で奨励会に入会し、小学6年生のときに「詰将棋解答選手権」に史上最年少で優勝した。

「ああ見えて大の負けず嫌いで、小3で小学生名人戦の愛知県大会に出場した際、関東から来た子に負けて大泣きしました。このまま泣かせたら、体を壊してしまうのではないかというほどの大号泣でした。

 幼稚園の年長のときに2才年上の女の子が教室でいじめられたようで、幼い聡太くんが『〇〇ちゃんをいじめるなよなあ!』と年上の小学生たちをにらみつけたこともありました。あまりに迫力満点だったので、みんな凍り付いていましたよ」(文本さん)

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