これまで何度も放送日時の変更を繰り返してきた『モヤモヤさまぁ~ず2』(テレビ東京系)がまたも枠移動。今度は「土曜昼」で9度目の移動となった。なぜ何度も放送日時が変わるのか? その背景についてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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今秋、根強い人気を誇るロケバラエティ『モヤモヤさまぁ~ず2』(テレビ東京系)の放送時間帯が、火曜深夜の23時6分~23時55分から、土曜昼の11時30分~12時15分に変わりました。
特筆すべきは、今回が9度目の枠移動であり、さまざまな時間帯で放送されてきたこと。
同番組は2007年1月3日の14時~15時25分(放送時間85分)で単発放送されたあと、同年4月に金曜25時~25時30分(同30分)でレギュラー放送がスタート。1年後の2008年4月に金曜24時53分~25時23分(同30分)へ移動し、さらに1年後の2009年4月に木曜24時12分~24時53分(同41分)へ移動・拡大しました。
再び1年後の2010年4月に日曜19時~19時54分(同54分)へ移動・拡大し、ゴールデンタイム進出。3年半後の2013年10月に日曜18時30分~19時54分(同84分)へ移動・拡大し、さらに7年後の2020年10月に日曜21時~21時54分(同54分)へ移動・縮小しました。
1年後の2021年10月に土曜23時~23時25分(同25分)へ移動・縮小し、半年後の2022年4月に火曜23時6分~23時55分(同49分)に移動・拡大。さらに1年半後の2023年10月に土曜11時30分~12時15分(同45分)に移動・縮小しました。
約16年半で9回という回数もさることながら、驚かされるのは、放送の曜日、時間帯、長さがバラバラであること。とりわけ、深夜、ゴールデン、昼という放送時間帯の移動は、テレビ業界ではほぼ見られない異例の編成戦略と言っていいでしょう。
これほどのめまぐるしい移動は何を物語っているのでしょうか。
ネットの普及と震災発生を背景に
『モヤモヤさまぁ~ず2』は、「東京のもやもやっとした部分を、視聴者に代わってさまぁ~ずが、のんびりとゆる~く解消していく、全く新しい形の“癒し系街歩きバラエティ番組”」というコンセプトでスタート。たとえば、新宿ではなく北新宿、池袋ではなく東池袋、西麻布ではなく東麻布など、メディアで紹介される“A面”ではなく、マイナーな“B面”の街をさまぁ~ずが歩くロケ番組であり、“ゆるさ”を武器にジワジワとファンを増やしていきました。