中村はかねてより吉田拓郎の大ファンであることを公言

中村はかねてより吉田拓郎の大ファンであることを公言

『ゆうひが丘の総理大臣』(1978年)

 夕日丘学園高校2年C組に新任教師として赴任してきた大岩雄二郎(中村)は、アメリカの大学を卒業した英語教師。幼くして両親と別れ、養護施設の出身という過去もありながら、生徒たちの悩みに全身でぶつかっていく熱血教師だった。

 しかし、赴任初日から女生徒に痴漢と間違われるなど、女好きが原因でたびたび騒動を起こす。そんな大岩は「この教室では俺が総理大臣だ!」と発言したことから、生徒から「ソーリ」というあだ名で呼ばれる。生徒思いのソーリは、同僚教師を巻き込みながら思春期の生徒たちと接していった。

「前半はチャラけたスケベな先生なんだけど、後半はちゃんと先生をやっている。『金八先生』とよく比較されるのですが、こんな先生がいたら楽しいな、というのがソーリに投影されています。実は、ソーリ先生を見て教師になりましたという人が結構いて驚きました。『そこは金八先生じゃないの?』って(笑)」〈中村雅俊〉

「私の演じた百田桜子は英語教師。当時、私も英語に関心があって勉強していたので、ぴったりの役だと喜んでお受けしました。中村さん演じるソーリが女性にだらしなく、見かねた桜子が合気道で投げ飛ばす、といったシーンが楽しかったですね。中村さんも神田正輝さんも、私と同じ年齢。仕事ばかりで忙しい毎日を送っていた私にとって、この作品はまさに青春時代でした」〈由美かおる〉

【プロフィール】
中村雅俊(なかむら・まさとし)/1951年生まれ、宮城県出身。1973年、慶應義塾大学経済学部在学中に文学座附属演劇研究所に入所。1974年、ドラマ『われら青春!』の主役に抜擢。挿入歌『ふれあい』で歌手としてもデビューを果たし、120万枚の大ヒットとなる。これまで連続ドラマの主演数は34本。毎年行なうコンサートは通算1500回を超えるなど、役者と歌手の両方で活躍を続けている。

※週刊ポスト2023年10月27日・11月3日号

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