中国の大手ビール会社「青島ビール」の工場にある倉庫内で、作業員が原料に向かって放尿しているとされる動画が拡散した問題。青島ビールから通報を受けた地元公安は捜査を行ない、関係者が拘束されたというが、動揺はいまだに収まっていない。
「捜査の結果、男性が放尿していたのは原料倉庫ではなく、ある物流運送業者の輸送車両用の車庫だったことが現地で報じられています。また、放尿していた男性は青島ビールの社員ではない外注企業の労働者であることがわかりました。21日、地元公安はこの男性と映像を撮影した人物を逮捕しましたが、青島ビールの株価は大きく下落しました」(中国メディア関係者)
中国の食品問題というと、一昔前の2010年前後には衛生管理のずさんさや異物混入など、さまざまな事例が報じられていた。だが習近平政権が強権化するにつれ、こうした自国にマイナスイメージを与えるようなニュースは、ここ5年ほどすっかり鳴りを潜めていた。
ただ、SNSを観察すると、中国でも食品に関する“迷惑動画”が頻発していることがわかる。
YouTuberが塊チーズに“くっきり歯型”
10月22日、世界遺産の兵馬俑で知られる陝西省西安市の火鍋店では、女性客が鍋で煮込んだ肉らしきものが刺さった竹串を、女性客がペットとして連れている中型犬の口元に運んで食べさせる動画が撮影され、拡散した。
串は洗って再利用される可能性もあり、犬が舐めた串を使うことになる。店舗側は取材に対し、「竹串はすべて捨てました。今後はこうしたことのないよう、ワンちゃんを連れての入店はお断りします」と答えている。
洋食系の飲食店でも騒動があった。上海中心部のイタリア料理店では2021年、グルメ系の動画投稿者として知られる「MR白氷(バイビン)」という男性が店内で動画を撮影。「黒トリュフとペコリーノチーズのロテッレ(パスタ)」なる料理を注文すると、パスタは大きな塊チーズのなかで絡めてから提供された。高級店で時々見かけるサービスである。
塊チーズはテーブル横に置かれていたが、MR白氷は何を思ったのか、チーズの端の部分にガブリとかじり付き、はっきりと歯型まで残した。後日、別の客が店舗を訪れ同じものを注文すると、チーズには歯型が残ったまま使われ続けていたという。店舗は営業を停止し、食品安全法違反の疑いで当局の取り調べを受けることとなった。