ライフ

【58歳から元気になる方法】「若い社員から『老害』と言われたくない」再雇用で会社に残るか否かの悩み 精神科医・和田秀樹氏の見解は

定年後の再雇用がうまくいく秘訣とは?(イメージ)

定年後の再雇用がうまくいく秘訣とは?(イメージ)

『80歳の壁』など数々のベストセラーを生み出す和田秀樹医師が、「58歳から元気になる方法」をテーマに、現役世代の悩みに答える。そろそろ定年後を意識し始める50代後半。再雇用で会社に残る道はあるが、若い社員たちから「老害」と言われるのは避けたい──。そんな悩みに対する、和田医師の回答とは。

 * * *

「老害」という言葉を意識しすぎない

 2022年に上梓した『老害の壁』で、私は「老害」という言葉が安易に使われることで、世の高齢者が萎縮してしまうことに警鐘を鳴らしました。「若い人から老害と呼ばれないように」と、高齢者がなるべくでしゃばらず、慎ましい生活を強いられるような現在の日本社会の状況に異を唱えたのです。

 何歳になっても権力を手放そうとしない元政治家や会社経営者が、いつまでも人の意見を聞かずに独裁的に振る舞って「老害」と呼ばれることがあるのは、歳を取ったせいではなく、若い頃からもともと「そういう人」だったからです。

 本来は硬直した考え方の高齢者が指導的立場を占める(居座り続ける)ことを指す言葉ですが、今や一般に使われる「老害」とは、迷惑な高齢者を侮蔑まじりに指す表現になっています。身近なところで思いつく事例は、「レジでの支払いでもたついて、後ろで待つ人に迷惑がかかる」「高齢ドライバーは事故を起こす」「高齢者が出歩くとコロナ重症者が増えて医療が逼迫する」などでしょうか。しかし、実は世の中で「老害」と呼ばれることのほとんどは、高齢者に対する「同調圧力」でしかありません。

 しかも、それに従わせることで、高齢者から生活や健康、楽しみなどの自由を奪うことにつながっています。これは断固として取り払わなければならない社会の側にある「壁」です。

 そうであれば、再雇用で会社に残ることは「老害」と言えるのでしょうか。仕事の能力とは無関係に取締役として居座るなど、会社内の上下関係を利用して支配しようとすれば、それは「老害」と言えそうですが、定年後再雇用の人が若い社員たちと一緒に働くことが、「迷惑をかけるから老害」なわけではありません。もらっている給料の割には業務をこなせないとか、若い社員より処理能力が劣るなどの批判はあり得ますが、それでも本当に足手まといなら、そもそも再雇用されないはず。それが資本主義の原則です。

 再雇用の道を選ぶ人が、自ら「老害と言われるかも」と意識しすぎるのは、自分自身にとっても、会社や身の周りの社会にとってもよくないことだ思います。

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平とAさん(球団公式カメラマンのジョン・スーフー氏のInstagramより)
「妻と会えない空白をギャンブルで埋めて…」激太りの水原一平が明かしていた“伴侶への想い” 誘惑の多い刑務所で自らを律する「妻との約束」
NEWSポストセブン
福井放送局時代から地元人気が高かった大谷舞風アナ(NHKの公式ホームページより)
《和久田麻由子アナが辿った“エースルート”を進む》NHK入局4年で東京に移動『おはよう日本』キャスターを務める大谷舞風アナにかかる期待
週刊ポスト
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
《豊田市19歳女性刺殺》「家族に紹介するほど自慢の彼女だったのに…」安藤陸人容疑者の祖母が30分間悲しみの激白「バイト先のスーパーで千愛礼さんと一緒だった」
NEWSポストセブン
緊急入院していた木村文乃(時事通信フォト)
《女優・木村文乃(37)が緊急入院していた》フジ初主演ドラマ撮影中にイベント急きょ欠席 所属事務所は「入院は事実です」
NEWSポストセブン
2023年7月から『スシロー』のCMに出演していた笑福亭鶴瓶
《スシローCMから消えた笑福亭鶴瓶》「広告契約は6月末で満了」中居正広氏の「BBQパーティー」余波で受けた“屈辱の広告写真削除”から5カ月、激怒の契約更新拒否
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長》東洋大卒記者が卒業証明書を取ってみると…「ものの30分で受け取れた」「代理人でも申請可能」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
《フジテレビに蔓延するオンカジ問題》「死ぬ、というかもう死んでる」1億円以上をベットした敏腕プロデューサー逮捕で関係する局員らが戦々恐々 「SNS全削除」の社員も
NEWSポストセブン
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
《新歓では「ほうれん草ゲーム」にノリノリ》悠仁さま“サークル掛け持ち”のキャンパスライフ サークル側は「悠仁さま抜きのLINEグループ」などで配慮
週刊ポスト
ノーヘルで自転車を立ち漕ぎする悠仁さま
《立ち漕ぎで疾走》キャンパスで悠仁さまが“ノーヘル自転車運転” 目撃者は「すぐ後ろからSPたちが自転車で追いかける姿が新鮮でした」
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン
元KAT-TUNの亀梨和也との関係でも注目される田中みな実
《亀梨和也との交際の行方は…》田中みな実(38)が美脚パンツスタイルで“高級スーパー爆買い”の昼下がり 「紙袋3袋の食材」は誰と?
NEWSポストセブン