NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』で、戦後の大スターで“ブギの女王”と呼ばれた笠置シヅ子をモデルにしたヒロインを演じる趣里(33)。大正から昭和の激動の時代、歌に踊りにひたむきなヒロイン・福来スズ子に魅了される人が急増している。同作でヒロインが入団した梅丸少女歌劇団(USK)の親会社の社長・大熊熊五郎を演じた升毅が、撮影現場の秘話を語る。
福来スズ子を演じる趣里は、募集年齢の上限ギリギリで「最後のチャンス」と挑んだオーディションで、朝ドラのヒロイン役を掴んだ。『ブギウギ』が趣里との初共演となった升は、初めて顔を合わせた時のことをこう語る。
「リハーサル室で趣里さんと初めて顔を合わせた時に、僕がそれまで一緒に撮影をしていたスズ子の子役さん(澤井梨丘)が、そのまま大きくなったんじゃないかと驚きました。初めて会った気がしないような、不思議な心地よさがありました。演技に関しても同じで、雰囲気もキャラクターもそっくりで、“小さい頃からずっと見てきたスズ子がここにいる”という感じで、子役さんが演じてきたスズ子そのもの。バトンタッチしてもまったく違和感がありませんでした。スズ子はまだ10代の設定でしたが、33歳の趣里さんはお母さん役の水川あさみさん(40)とほとんど年齢が変わらないのに、親子に見えるのも見事でした」
幼い頃からテレビなどで笠置シヅ子さんを見ていたという升は、「趣里さんのお芝居を見るとご本人の姿が目に浮かんできます」と語る。
「笠置シヅ子さんは、とても個性的で愛らしいタイプの女性でした。そういう女性をモデルにしたヒロインの場合、誰が演じるのかは難しいですよね。趣里さんがヒロインを務めることを聞いた時に、まさにぴったりだと感じました。違和感を覚えさせない芝居を現場で見て、改めて見事なキャスティングだと思いました。
カメラが回っていないところでも、趣里さんは変わらないんですよね。僕の印象としては明るくサッパリとしていて、はっきり意見も言う。もともとそういうキャラクターなのか、撮影現場ではずっとスズ子になりきっているのか、どちらか定かではないのですが、劇中のスズ子のままなんです」