ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスに拘束されたドイツ系イスラエル人女性、シャニ・ルークさん(22)の死亡が確認された。シャニさんは、10月7日にハマスに襲撃された音楽フェスに参加していた。
10月30日、シャニさんの母親のリカルダ・ルークさんは、「残念ながら、昨日、娘がもう生きていないという情報を聞きました」とドイツのニュースチャンネル「n-tv」で報告。イスラエル国防軍(IDF)を通して、娘の死亡を知ったという。頭がい骨の一部が発見され、DNA鑑定でシャニさんのものであることが確認されたようだ。
シャニさんの両親は、娘は音楽フェスでハマスの戦闘員に頭を撃たれて死亡したと考えているという。父親であるニッシム・ルークさんも、イギリスのタブロイド紙「デイリー・メール」の取材に応え、「(娘は)撃たれて即死した。苦しむことはなかった」と推察した。
「斬首された」証言も
一方で、イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領は、「彼女は斬首された」と語っている。またイスラエル外務省も拉致後にシャニさんが「テロリストらによる拷問を受け、街頭を連れ回された」と報じている。
シャニさんがどのように命を落としたのか、はっきりした経緯は明らかになっていない状況だ。
シャニさんがほぼ裸の状態でトラックの荷台に乗せられ、ハマスの戦闘員に連れ去られる現場をとらえた映像は、世界中に衝撃を与えた。シャニさんの手足は不自然な方向に折れ曲がり、微動だにしないため、すでに彼女は死亡しているものとして受け止めた人々も多かった。