ライフ

「身近な薬にも副作用」「ジェネリックへの信頼は発展途上」…注意すべき“薬に頼りすぎることのリスク”

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

 体調が優れない時、病院に行く前にまず考えるのが薬の服用だが、頼りすぎるのはリスクがある。すべての薬は体にとって“毒”だと話すのは、松田医院和漢堂院長で日本初の「薬やめる科」を設立した松田史彦さんだ。

「どんなに効果の高い薬であっても、副作用のない薬はありません。現代医学の薬はほとんどすべてが化学合成物質で、その歴史もせいぜい100年ほどと浅い。のみ続ければどんなリスクがあるか、誰にもわからないのです」

 長期にわたってのむほど、そのリスクは高くなる。例えば、降圧剤として広く使用されているアムロジピンには、めまい、動悸、肝機能障害、頭痛、筋肉痛、不眠、脱毛などの副作用があるなど、身近な薬にも危険が潜む。

「高脂血症の治療に使われるスタチン系の薬には、細胞膜を溶かす副作用があります。のみ続けると筋肉が溶ける横紋筋融解症になることがあり、もともと筋肉量の少ない高齢者が症状に気づかないまま服用を続けて歩けなくなってしまった例もあります」(松田さん・以下同)

 ロキソプロフェンやアスピリンといった「NSAIDs」を主成分とする解熱鎮痛剤には市販薬も数多くあるが、これにもリスクがある。

「のみすぎると潰瘍が生じたり、肝機能障害のリスクが高くなることがわかっています。足の痛みで整形外科に通院して長年、NSAIDsを処方されていた高齢者が胃潰瘍になったケースもあります」

 痛み止めという性質上、胃潰瘍が起きていても自覚症状がないまま進行してしまい、重篤な状態を引き起こす可能性もある。さらに恐ろしいのは薬の持つ依存性だ。松田さんは、精神科系の薬は実質的には麻薬と同じだと語る。

「不眠に悩む高齢者にも処方されていますが、こうした薬にはほとんどの場合、副作用として依存症があります。中にはのむことでかえって不安や不眠が引き起こされることもある。例えば、抗うつ剤の一種であるSSRIの添付文書には、異常な夢、体が勝手に動く、突然感情が抑えられなくなる……など、知らなければ病気だと思ってしまいかねないような副作用が書かれています。

 薬の説明書は、効能よりも副作用に注目してください。病気だと思っていた症状が実は副作用だったということは、無数にあるのです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

タイ警察の取り調べを受ける日本人詐欺グループの男ら。2019年4月。この頃は日本への特殊詐欺海外拠点に関する報道は多かった(時事通信フォト)
海外の詐欺拠点で性的労働を強いられる日本人女性が多数存在か 詐欺グループの幹部逮捕で裏切りや報復などのトラブル続発し情報流出も
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《虫のようなものがチャーシューの上を…動画投稿で物議》人気ラーメンチェーン店「来来亭」で異物混入疑惑が浮上【事実確認への同社回答】
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》王貞治氏・金田正一氏との「ONK座談会」を再録 金田氏と対戦したプロデビュー戦を振り返る「本当は5打席5三振なんです」
週刊ポスト
打撃が絶好調すぎる大谷翔平(時事通信フォト)
大谷翔平“打撃が絶好調すぎ”で浮上する「二刀流どうするか問題」 投手復活による打撃への影響に懸念“二刀流&ホームラン王”達成には7月半ばまでの活躍が重要
週刊ポスト
懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト