「ドイツ系イスラエル人、シャニの遺体が発見され、身元が確認された事実を共有することに打ちひしがれている」
これは10月30日、イスラエル外務省がXの公式アカウントにポストした投稿だ。ハマスによる10月7日の急襲で、イスラエル南部で行われていた音楽フェスから連れ去られ、行方不明となっていたドイツ系イスラエル人女性、シャニ・ルークさん(22歳)の死亡が確認されたのだ。
インターネット上では音楽フェスの直後、ハマスの戦闘員らが彼女とみられる生死不明の半裸の女性をピックアップの荷台に横たえて連れ去る動画が拡散。彼女はガザで生きたまま人質となっている可能性があると思われてきた。シャニさんの母親もこれまでに「娘はガザの病院で手当を受けていると信じている」などと発言してきた。しかしその希望は突如として打ち砕かれた形となってしまった。
CNNの取材に鑑定に関わった法医学検査官が明らかにしたところでは、発見された“遺体”とは頭蓋骨で、側頭骨の臼状部の骨片だという。しかしそれは、脳に血液を供給する頸動脈の付近に位置するため、この部分が発見されるということは、すなわちその人物の「死」を意味するのだ。
シャニさんの頭蓋骨が発見された場所や状況、頭蓋骨以外の遺体の所在などについては、現時点では明らかにされていない。
音楽フェスの生存者からは、ハマス戦闘員らに女性がレイプされた現場を見たという証言もあり、「少女たちが友人の遺体の上でレイプされた」、「若い女性の遺体は、殺される直前に繰り返し集団レイプされたことで骨盤が歪んでいた」といった報道もある。シャニさんに関しては、せめて恐怖や苦痛の少ない最期だったことを願いたいものだが、イスラエル外務省は、「ハマスのテロリストたちによって拷問され、ガザ中をパレードさせられた」という声明を発表している。