国内

【藤井聡太八冠・天才の原点】恩師が語る幼少期「ジュースをこぼして大泣き」「とにかく負けず嫌いで、子供ながらにリアリスト」

藤井聡太八冠

藤井聡太八冠

 厳しい競争を勝ち抜き、プロ棋士になれるのは原則として年間で4人のみ。現役の棋士は170人ほどしかいない。「天才集団」と呼ばれる彼らの中で、藤井聡太はなぜ頂点に立てたのか。藤井と杉本昌隆師匠の対談取材をしたことがある、野澤亘伸氏がルーツを辿った。【全3回の第1回】

 * * *
 もし藤井聡太少年が将棋に出会うのがあと数年遅かったら、そして自宅の近くに『ふみもと子供将棋教室』がなかったら、才能は違う分野に向かっていたかもしれない。

 愛知県瀬戸市に生まれた藤井聡太八冠は、5才のときに祖母が将棋セットを買い与えると、すぐに夢中になった。祖母は近所で文本力雄さん(68)が将棋教室を開いているのを知ると、聡太少年を連れていく。月、水、土の週3日レッスンだ。

「ぷっくりした頬っぺたがリンゴみたいに赤くてね」(文本さん・以下同)

 薄茶色の髪に少しウエーブがかかり、女の子のようにも見えたという。

 5才という年齢は、小中学生が中心の教室ではまだ幼い。だが、棋士の多くは将棋の道で大成するためにはいかに早く始めるかだという。そしてよきアマチュアの指導者に出会うことが欠かせない。聡太は毎週休むことなく教室に通い、負けるといつも泣いていた。

「ちびっ子が正座して2、3時間集中するのは大変なことです。だから授業が終わった後は自由にさせていました。聡太はプロレスが好きで、いつも年上の子相手に組み合うけど、最後は両足を持たれて股間ドリルをやられる。ゲラゲラ大笑いした後に、お母さんが迎えにきて元気に帰っていきました」

 聡太は半年ほどすると週3日のレッスンでは物足りなくなり、もう1日増やしてほしいと母親から文本さんに頼んでもらう。「それで金曜日に聡太を含めた上級者4名の授業をやるようにしました。それからグングン腕を上げて、入会から1年で20級から4級まで昇級しました」

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
【広末涼子容疑者が追突事故】「フワーッと交差点に入る」関係者が語った“危なっかしい運転”《15年前にも「追突」の事故歴》
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
「全車線に破片が…」広末涼子逮捕の裏で起きていた新東名の異様な光景「3kmが40分の大渋滞」【パニック状態で傷害の現行犯】
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
広末涼子(時事通信フォト)
【広末涼子容疑者が逮捕、活動自粛発表】「とってもとっても大スキよ…」台湾フェスで歌声披露して喝采浴びたばかりなのに… 看護師女性に蹴り、傷害容疑
NEWSポストセブン
麻布台ヒルズの個展には大勢の人が詰めかけている
世界的現代美術家・松山智一氏が問いかける“社会通念上の価値の正体” 『うまい棒 げんだいびじゅつ味』で表現したかったこと
週刊ポスト
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン