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【逸話】逝去の元大関・朝潮、長岡末弘さん 「10メートルの千鳥足取材」「記者を凍りつかせた発言」…エピソードに事欠かない人だった

67歳だった(時事通信フォト)

67歳だった(時事通信フォト)

 大相撲の元大関・朝潮の長岡末弘さんが10月2日に亡くなった。死因は小腸がん。67歳だった。近大相撲部時代は2年連続アマチュア横綱、学生横綱となり、幕下付け出しデビューすると入門からわずか4場所で幕内に昇進するスピード出世を果たした。

 現役時代は「大ちゃん」として人気があったが、北の湖、輪島、千代の富士と横綱が優勝独占したことで優勝回数は1回の万年大関で終わった。千代の富士との優勝決定戦に2回敗れ、北の湖キラー(13勝7敗)として知られるガチンコ大関。引退後は若松部屋を創設し、のちに高砂部屋と合併。一門の総帥である7代目高砂を襲名し、理事として横綱・朝青龍や大関・朝乃山を育てた。

 その朝青龍の土俵外の騒動で4期続けた理事を降格され、引退の原因となる暴力事件では役員待遇からも降格となった。その後、朝乃山を大関にまで育てたが、その朝乃山の新型コロナウイルスに関するガイドライン違反が発覚した。その調査の過程で親方の違反も判明し、退職届を提出して角界から去った。

 育てた弟子たちによって晩年を汚すことになったが、その愛されるキャラは本誌・週刊ポストの取材でも十分に伝わった。朝青龍のスキャンダルに対する親方への直撃取材がほとんどだったが、取材拒否することなく必ず何らかのコメントがもらえた。

 東京での取材は部屋の向かいにある小料理店から帰宅するまでの10メートルが勝負だった。千鳥足の親方がコメントをくれるのだ。地方場所では宿舎から稽古場までの30メートルに変わる。特に大阪場所では朝稽古が終わると、親方は漫画本を1冊持って銭湯に向かう。湯船につかりながらその本を1冊読むのが習慣なのだが、銭湯の前で待っているとイヤそうな顔をしながらも話してくれた。

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