山本結子被告は5つの架空アカウントを駆使していた

山本結子被告は5つの架空アカウントを駆使していた

覚えのない発信履歴

 このように山本被告から「架空やなりすましのアカウントを操っていた張本人」であると言われたうえに、自宅を燃やされそうになった山本被告の元交際相手・Bさんもこの裁判員裁判において証人として出廷。「実というアカウントは聞いたこともなく、心当たりもない」と述べ、山本被告と交際していたころに起こった“不可解な出来事”を衝立の奥から語った。

 Bさんによれば、山本被告との交際から同棲解消までのわずか2か月の間に「職場で4回、意識を失った」のだという。

「最初は2020年6月……いつも通り出社してメールをチェックしている際に意識を失いました。7月3日、7日と続いたため、上司と一緒に病院に行きました。てんかんの疑いがあると言われ車の運転を禁止されました。その後は7月15日、医師との面談中にも意識を失い……。同棲前はこうした出来事はありませんでした。同棲解消後は、てんかんの疑いもなくなり、今は車を運転できています」(Bさんの証言)

 思い当たることを尋ねられたBさんは「毎朝、被告人が準備したコーヒーやプロテインを飲んでいた。いつもより苦い気がしたので、コーヒーやプロテインに薬物を混ぜられたのではないかと……被告人が処方薬を持っているのも見ました」と、山本被告による薬物混入を疑ったという。

 同棲中のBさんを襲った不可解な出来事は、4度の意識喪失だけではない。「過去に死別した交際相手」からのLINEが何度も届くようになったのだそうだ。

「同棲後の2020年6月下旬に、死別した交際相手の名前のアカウントから『どこにいるの。最後に一度会いたい。思い出の場所で待っているよ』というLINEが来ました。他にも『プレゼントをクローゼットに入れてあるよ』とLINEが来て、クローゼットを見てみたらブレスレットが置いてありました」(同前)

 そのうえ「スマホに覚えのない発信履歴があったり、LINEのログイン認証通知が何度も届いたり、決済サービスの利用確認メッセージが何度も届いた」のだという。さらには「カード会社から、あるサービスで25万円ほどの利用があるが本人か? という確認の電話が届きましたが、身に覚えのないものでした」と、クレジットカードの不正利用まで起こったのだそうだ。

 Bさんが山本被告にスマホを見せてもらうと、山本被告自身がサービスを利用していることが分かったが、「誰かに遠隔操作されて悪用された」と山本被告は弁解していたという。こうした出来事が重なり、Bさんは「被告人が怪しいと思い、別れようと思った」と、山本被告との同棲を解消した。

 自宅が燃やされそうになったことについて、思いを問われ、Bさんは次のように答えた。

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