狭くて密な“日本の飲み屋”が夜の遊び場として、外国人観光客から注目を集めている。日本の飲み屋の魅力について、人気の横丁で話を聞いた。
都内で外国人観光客が最も多い街は歌舞伎町だろう。なかでも新宿ゴールデン街は群を抜いている。バー「クラクラ」の経営者の外波山文明氏は言う。
「外国人からチャージ料を取らないお店も増えましたが、ウチは常連客への示しがあるので払ってもらっています。来てくれるのはありがたいけど、タバコのポイ捨て禁止などマナーは守ってほしいね」
そんなゴールデン街を取材した10月某日も外国人客で賑わっていた。この日はなんと俳優の浅野忠信氏が撮影ロケ中。その姿を見て、目を輝かせたのは、プライベートで訪日していたハリウッド俳優、ジャック・レイナーさん(31)。
「浅野のファンで彼が出演した映画『殺し屋1』は最高だ。このクールなゴールデン街で会えるなんて夢のようだね」
隣にいた恋人のマデリンさんもカメラを首にかけながら「どこを撮っても最高にクール」と笑顔。思わぬ出会いを引き寄せるのも日本の飲み屋街の醍醐味だ。外国人に人気が高いニッポンの飲み屋街で、どんなところが好きなのかを聞いた。
新宿で出会ったコーリーさん(31歳)とブリトニーさん(32歳、共にカナダ)に、居酒屋メニューのモツ煮には抵抗なかったかと聞くと「カナダでは鹿などジビエを食べるから、モツは全然抵抗ないよ」(コーリー)とのこと。
そして新宿ゴールデン街は外国人観光客でごった返し、軒先に英語メニューを置く店は多い。外国人には味噌汁人気が高く「MISO SOUP」とだけ書いてある看板も見える。
●ANCHOR(新宿ゴールデン街)
ジョンさん(37歳、ニュージーランド)は「来日して秋葉原や原宿、浅草など色んな街を巡ったけどゴールデン街は格別だね。ウイスキー好きなんだけど、竹鶴と知多は最高に美味しいよ!」と、気に入った様子。
ジャックさん(31歳)とマデリンさん(32歳、共にアイルランド)「夕方に着いて真っ先にゴールデン街に来た」というこの2人は、なんと映画『トランスフォーマー/ロストエイジ』に出演したジャック・レイナーさんとその恋人。狭い路地に小さな飲み屋が並ぶ様子に「歩いているだけで興奮する刺激的な街だね」(ジャックさん)。
エリックさん(59歳)とエレンさん(48歳、共にアメリカ)に、なぜゴールデン街へ足を運んだのかと聞くと「がっつり飲む前にまずは食べ物を探しにここへ来たよ」(エリック)とのこと。