劇画家さいとう・たかを氏が設立した「さいとう・プロダクション」は、各スタッフの分業体制により作品を制作するという方式を確立、さいとう氏亡き後はシナリオは脚本家に任せ、作画はチームで分業する「プロダクション・システム」を構築し、今も『ゴルゴ13』新作の制作が続けられている。現在、さいとう・プロで作画チーフをつとめるふじわら・よしひで氏に、連載から55周年となった『ゴルゴ13』制作について聞いた。
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私はかつて自分の連載も持っていて、X(旧ツイッター)で「次回作は?」と聞かれたりしますが、黙っています(笑)。今はさいとう・プロの仕事に専念しています。
さいとう先生からは、「構図を決めるときは3台のカメラを持て」と教わりました。1つのコマを描くときに、アップ、ロング、俯瞰の3つのカメラで眺め、もっとも効果的な構図で描くということです。さいとう・プロの制作体制は分業制で、映画の製作とよく似ているのですが、コマ一つとっても映画を撮るような発想で描かれているのです。
あくまで自分の趣味なんですが、1970年代の劇画ブームの頃に『ゴルゴ13』から強く影響を受けたので、1970年代の雰囲気だけでも捉まえられたらいいなと思って、昔を思い出しながら描いています。
【プロフィール】
ふじわら・よしひで/1966年、鳥取県生まれ。1986年に『私立終点高校』で漫画家デビュー。代表作に『拳児』『ジーザス』『コンデ・コマ』『闇のイージス』などがある。2019年からさいとう・プロに作画スタッフとして所属。
取材・文/清水典之
※週刊ポスト2023年11月17・24日号