イスラム組織ハマスの攻撃対象となった音楽フェスに参加し、命を落としたドイツ系イスラエル人女性、シャニ・ルークさん(享年22)。ほとんど裸に近い状態の彼女がトラックの荷台で運ばれる映像は、世界中の人々に強いショックを与えた。映像の中には、横たわったままぴくりとも動かないシャニさんに対してハマスの戦闘員が唾を吐きかける場面もあった。
現在、シャニさんの遺体を連れ回したハマスの戦闘員がイスラエルによって殺害されたとの説が浮上している。メディア出演経験も多数あるユダヤ教の有力指導者シュムリー・ボティーチ氏は11月16日、自身が得た情報をXに投稿。シャニさんの母親であるリカルダさんとやり取りしたとして、「『トラックの後部でシャニさんの遺体の上に足をかけてガザ市中を行進し、見せ物にした“怪物”をイスラエル国防軍が殺害した』とリカルダさんから聞いた」と明かした。
シャニさんの死が判明したとき、弟であるアミットさんは、イギリスのニュース専門局「スカイ・ニュース」の取材に答え、「彼女がもう苦しんでいないことがわかって安心した」と素直な気持ちを明かした。シャニさんの父親であるニッシムさんも「彼女がそれほど苦しまずに死んだことがわかってよかった」とインタビューで口にしていた。
イスラエルが発信し続けるハマスの残虐さ
遺族がこうした安堵を覚えた背景には、現地のあまりにも悲惨な状況がある。国際ジャーナリストが解説する。