創価学会の池田大作名誉会長(享年95)が11月15日夜に亡くなったことは、永田町にも波紋を広げている。
近年、池田氏は第一線を退き、表舞台から姿を消していた。現在は、2006年11月に就任した第6代会長・原田稔氏(82)を中心に組織運営が行われている。
「ポスト池田体制の組織システムが完成して久しく、池田氏の逝去が明らかになったからといって、組織が崩壊するということはありません」と創価学会の今後について語るのは宗教専門誌『宗教問題』編集長・小川寛大氏だ。学会を支持母体とする公明党は、自由民主党と20年以上も連立与党の一角を占めてきた経緯がある。学会員にとって「精神的支柱」ともされる池田氏の死去で、選挙活動に影響は出てくるのだろうか。
「国政選挙の比例得票数の推移などを見る限り、公明党は、集票力の低下という問題に直面しています。学会員の実数については議論が分かれるところではありますが、公称では約827万世帯とされています。しかし、2世、3世といった若い世代だと、“家族がそうだから”という理由で入会し、あまり宗教活動に熱心ではない学会員がかなり多い。選挙のたびに周囲に投票を呼びかけ、1人で10票、20票も集めるような“アクティブ層”は、70〜80代の高齢者がメインです。
池田氏への思い入れが深い高齢の学会員は、今回の訃報に気落ちすることでしょう。ただでさえ集票力が右肩下がりになっているところに、アクティブ層のモチベーションが低下するとなると、公明党の選挙活動にある程度の影響は出てくることが考えられます」(小川氏、以下同)
実際に国政選でピーク時には約900万票(2005年)の集票数を誇った同党も、昨年夏の参院選では600万票台に落ち込んでいる。