ピシャリと叱られて初めて「自信を持とう」と思えた
叱られたことで、瀬尾さんは“私なんか”という考えから自分自身を解き放つことができたという。
「自信がなく、失敗や傷つくことを恐れ、最初から“私なんか”とできない理由を考えてしまう私を瀬戸内は“まなほなら大丈夫!”と信じてくれた。瀬戸内の言葉に背中を押されたから、書籍の執筆などに挑戦できたのだと思います。そして大好きな瀬戸内のために役に立ちたい、支えたいと頑張ることができました」
2年前に瀬戸内さんが亡くなった後、瀬尾さんは「大きな喪失感に襲われ、無気力状態になってしまった」というが、このときも瀬戸内さんの言葉が心の支えとなった。
「瀬戸内と過ごした日々はとても濃く、いまでも私の指針となっています。これからも“まなほなら大丈夫”と言ってくれた瀬戸内の笑顔を思い出し、何でも挑戦してみようと思います」
【プロフィール】
瀬尾まなほ(せお・まなほ)/1988年兵庫県出身。エッセイスト。2013年よりおよそ10年にわたって瀬戸内寂聴さんの秘書を務める。著書に『#寂聴さん 秘書がつぶやく2人のヒミツ』、『寂聴さんに教わったこと』などがある。
※女性セブン2023年11月30日・12月7日号