自民党の山口晋・代議士(40)が起こした20代女性への不同意“泥酔キス”トラブルを本誌・週刊ポストが報じたことで、地元でも波紋が広がっている。
トラブルが起きたのは11月1日の夜。山口議員は同僚議員である穂坂泰・外務大臣政務官と連れ立って東京・赤坂のラウンジに飲みに行き、その後、ラウンジに勤める20代のA子さんらと韓国料理店で食事。山口氏が泥酔したA子さんを自宅マンションまで送った。
その際、マンションのエレベーターの中で泥酔したA子さんにキスしているところを、A子さんの母親に目撃されたのだ。A子さんは母親が大声を出すまでキスされたことに気づかなかったと証言。現在、山口氏からセクハラを受けたとして警察に被害届を提出している。一方、山口氏のほうも、同件にあたり、A子さんの母親から「精神的損害について慰謝料として30万円を要求」されたことなどが悪質な恐喝行為に該当する可能性があるとして警察に相談しているという。地元・埼玉の政界関係者が言う。
「山口代議士は地元活動に熱心で、先代(父親の山口泰明・元衆議院議員)からの有力な支援者や地元政治家と北坂戸の居酒屋などでよく会合を開いているが、そんな席では酔った様子は見せない。地盤を継いだばかりの2世議員で、支援者は目上の人が多いからそんな飲み会では緊張するんでしょう。その分、東京で羽目を外しているんじゃないか」
山口氏の父・泰明氏は、自民党組織運動本部長や党4役の選対委員長を歴任した大物政治家だ。茂木派ながら菅義偉・前首相の側近として知られた。議員在職中から地元の坂戸ガスの社長兼会長を務めており、現在は泰明氏が代表取締役、晋氏が取締役となっている。
泰明氏は前回2021年10月の総選挙で引退して息子の晋氏に地盤を譲ったが、「晋さんの選挙への熱の入れようは相当なものだった」(地元後援者)と言う。
泰明氏の引退に伴い、自民党埼玉県連は埼玉10区の新たな候補者を決めるために候補者公募を行ない、次男の晋氏が選ばれた。自民党は世襲の場合も形式的に候補者公募を行なう。岸信夫・元防衛相の地盤を長男の信千世氏が継いだときも、候補者を公募で選ぶ形をとっている。前出・地元後援者が語る。
「泰明さんは長男を病気で失っているから、次男の晋さんを溺愛している。後継者として育てるために晋さんを官房長官だった菅義偉・前首相に預けて秘書修行させ、官房長官秘書官にまでしてもらったほどです。息子が選挙に出る時のために箔をつけさせてやろうという親心でしょう。泰明さんの引退後に県連が候補者を公募したときは、晋さんが選ばれるとみんなわかっていた」
そんな「息子の大事な選挙」の直前に泰明氏が起こした行動が、問題となった。