東京ドームを埋め尽くす4万人近い巨人ファンが、長嶋茂雄・終身名誉監督(87)のサプライズ登場に沸いた。ミスターは、阿部慎之助・新監督(44)が向けたマイクに「勝つ、勝つ、勝~つ!」と魂の雄叫びを披露。入院先の病院から駆けつけてまでナインを鼓舞した思いとは──。
V9戦士も感激
“復活劇”の舞台となったのは、11月23日に開催された「ジャイアンツ・ファンフェスタ 2023」だった。
長嶋氏が公の場に姿を見せたのは今年3月31日の開幕戦以来だが、その時は場内ビジョンでのコメント動画の放映のみ。グラウンドに現われたのは昨年の開幕戦以来1年8か月ぶりだ。
長期間の“不在”だけに容態を懸念する憶測も流れたが、それを払拭するサプライズだった。
V9時代に“4番・長嶋”の後ろを打ち、「最強の5番打者」の異名をとった末次利光氏(81)が喜ぶ。
「長嶋さんの姿を久々に拝見して嬉しかったですよ! 元気そうでよかったです。最後の『勝~つ!』は最高でしたね。元気でいらっしゃると信じていたので安心しましたし、“おかえりなさい”と伝えたいですね」
イベント後、長嶋氏はベンチ裏の控え室で阿部監督や選手からの挨拶に応じた。主砲・岡本和真(27)には「4番はあなたしかいない」と力強いメッセージを送り、新選手会長の大城卓三(30)やエース・戸郷翔征(23)らと握手を交わした。さらに阿部監督のリクエストに応えて、この日2度目の「勝つ、勝つ、勝~つ!」を叫んだ。