食べた人が相次いで吐き気や震えなどの体調不良を訴えている「大麻グミ」。厚労省は大麻グミに含まれる特定の成分について、12月2日から新たに指定薬物に追加することとし、販売・所持・使用が禁止されることとなった。
新たに規制の対象となったのは、大麻の有害成分「THC(テトラヒドロカンナビノール)」に似せて作られた合成化合物「HHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)」だ。昭和大学薬学部教授で日本ヘンプ協会理事長の佐藤均氏が解説する。
「THCは大麻に含まれている天然由来の成分で、HHCHはそれに似せて人工的に作られた成分です。THCは大麻に含まれる有害成分として日本では禁止薬物に指定されていますが、HHCHはその危険性にもかかわらず、規制がないのをいいことに野放図に販売されてきました」
HHCHのような成分は“危険ドラッグ”と呼ばれるが、佐藤氏は「次々と新たに作り出されてしまっている」と話し、いたちごっこのような現状があると指摘する。
「今回規制されたHHCHの前にも、HHC、THCHなどの“危険ドラッグ”が指定薬物として規制されています。実はこうした成分は、大学である程度の化学を学び、化学反応の知識や技術があれば作ることができてしまうのです」