12月7日、羽生結弦は29回目の誕生日を迎えた。新婚夫婦にとって、結婚してから初めて迎えるお互いの誕生日は、特別なものになったはずだろう。しかし、羽生は20代最後の誕生日を、“シングルスケーター”として迎えた。その3日前の12月4日、羽生が表紙を飾った雑誌『AERA』が発売された。
「写真家の蜷川実花さんが撮り下ろした羽生さんの写真集の、未収録カットが掲載されました。同誌では8月にも羽生さんが表紙に登場し、大きな反響から発売前に異例の増刷が決まったほどでした」(フィギュア関係者)
11月11日発売の写真集は4400円と高額ながら、2022年7月のプロ転向後に開催した初の単独アイスショー「プロローグ」を皮切りに5公演の秘蔵カットを収録しているのに加え、「アイメイクが施され、キッとするような眼差しが特徴的。赤いドレスのような衣装も斬新で、攻めた写真集だった」(出版関係者)と、羽生ファンにとっては垂涎の内容だったようだ。
さらに同日には、2007年のノービス時代から15年以上、300点以上を収録した別の写真集が、誕生日に合わせて発売されることも発表された。こちらは三方箱に入った豪華仕様で、4620円とこれまた高額だ。
「8月の結婚発表以降、羽生さんをトップで扱ったスポーツ新聞の売れ行きが伸び悩んだり、羽生さんのグッズがフリマサイトで投げ売りされたりと、一定数のファン離れがあったようです。それでも、根強いファンが羽生さんを支えている。いまだに『羽生結弦』は優良コンテンツ、つまり“金のなる木”なんです」(前出・フィギュア関係者)
1公演で5億円以上
11月28日、多目的施設「ゼビオアリーナ仙台」に通年型のアイスリンクが開設されることが発表された。羽生は、「この町でフィギュアをやりたいと思う次の世代が一人でも多く生まれることを期待しています」とビデオメッセージを寄せた。
「仙台市は、新しいスケートリンクの経済効果を10年間で80億円と試算しました。羽生さんが五輪2連覇を達成した際のパレードで、18億5000万円の経済波及効果があったことからはじき出された数字だといいます」(スポーツ紙記者)
その効果には、以前から大手企業が目をつけてきた。2023年9月末まで、ANAは10年にわたって羽生とスポンサー契約。ほかにも味の素やコーセー、ファイテン、東和薬品などが契約を結んでいる。
11月30日、羽生は味の素がアスリートのコンディショニングサポートを行う「ビクトリープロジェクト」の20周年に次のようにメッセージを寄せた。
「緻密に栄養計算された食事と、(中略)選手にしっかり寄り添っていただけているおかげで、いつも万全なコンディションで本番に臨んでいます。これからもサポートをよろしくお願いします」
そうしたスポンサーの存在もあり、2019年には、アメリカのスポーツ専門チャンネル『ESPN』が、羽生の年間の広告収入を「約15億円」と推計したこともあった。2022年7月のプロ転向以降は、YouTubeチャンネルを立ち上げ、チャンネル登録者数は80万人を超える。また、単独アイスショーを実施し、2023年11月4日には、ツアー『RE_PRAY』が開幕した。
「スタートとなったさいたまスーパーアリーナは約2万人のキャパで、チケットの最高値は3万円。最安値の席でも1万6000円でした。これにグッズの売上などを勘案すれば、1公演で5億円以上のお金が動く計算になります。『RE_PRAY』では、出演はもちろん制作総指揮も羽生さんが務めており、彼の才能に依るところが大きいビッグビジネスです」(スポーツライター)
次のツアーの開催は、2024年1月の佐賀公演だ。会場周辺では、すでに公演日が満室となっているホテルもある。