〈舞台って、お客さまがつくるんですよ。お客さまがいて、ミュージカルならオーケストラがいて、演者がいて、それらが1つになる瞬間がある。リモートじゃだめなんです。お客さまが目の前にいるのといないのとでは全然違う。やっぱり舞台の空気を、声を、直に届けたいし、心に残る何かを持ち帰ってほしい。そうじゃなきゃいけないだろうと、すごく思っているんです〉
金融広報中央委員会発行の広報誌「くらし塾 きんゆう塾」(vol.66 2023年秋号)でそう熱く語っていた女優の森公美子(64才)にとって、コロナ禍による規制が大幅に緩和された2023年の舞台は格別なものだったかもしれない。
10月上旬、ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』に出演した森は、ボディラインがくっきりと見える黒のタイトワンピース姿で帰路についた。すでに還暦を過ぎて4年が経つにもかかわらず、全く変わらない迫力のパフォーマンスで観客を魅了。“演劇界の鉄人”ともいうべき活躍である。
本人は至って絶好調だが、なぜか今年の夏、ネット上では「死亡説」「両足断裂」などのうわさが流布されていた。
「舞台のけいこ中に、『また私の死亡説が出てるわ~』とボヤいていらっしゃいました。ご本人は、“定期的に流れるうわさなの。過去にも何度もあって……”と説明されていました」(演劇関係者)
繰り返される「死亡説」には森も辟易しているようで、9月12日、公式インスタグラムで、自身のフェイクニュースを掲載しているサイトに触れ、本人自ら注意喚起を促している。
〈死亡説が出たり、両足断裂何だ? 中身は、主人の事故の事とか? 絶対に開かないでくださいよ! 私の足は、人よりもデカイのは事実付いてます。変なサイトに、行かせられますよ! サムネイルは変な所に行くから、絶対開いてはダメです。 (中略)昨日9月11日はヒルナンデスの生放送出てました。歩いて、スタジオまで行ってますし、スタジオで立ってます〉(原文ママ)
死亡説などなんのその。森は、2024年3月からブロードウェイ・ミュージカル『カム フロム アウェイ』の舞台に立つという。
昭和末期から、かれこれ30年以上、舞台のほか各所に引っ張りだこのモリクミ。どれだけ悪質なデマを流されても、実力と存在感が群を抜いているだけに、これからも日本のミュージカル界、ひいては芸能界で、必要とされ続けていくだろう。