政治資金パーティーをめぐるキックバック・裏金問題で、「安倍派5人衆」が軒並み更迭される可能性が高まっている。5人衆は松野博一官房長官、西村康稔経済産業相、萩生田光一・党政調会長、高木毅・党国会対策委員長、世耕弘成・党参院幹事長で、近く小規模な内閣改造と党人事が行われると見られている。そうなると若手に抜擢のチャンスが回ってきそうなものだが、“令和のリクルート事件”とも言われる今回のスキャンダルでは、そう期待もできないようだ。
自民党安倍派のベテラン議員は、「うちの事務所はパー券をそんなに売れないからキックバックなんて無縁」と前置きしつつ、こう語った。
「5人衆だけではなく、数十人が特捜部から事情聴取されるかもしれないという話になっている。そうなると、清和会(安倍派)は空中分解するだろう。他の派閥に吸収されるかもしれないと、派内は騒然としている。
そもそも、議員として生き残っていけるかも怪しい。特に安倍チルドレンと呼ばれる当選4回以下の議員たちは『選挙も厳しくなる…これで政治家はいよいよ廃業か…』と頭を抱えている連中もいる。清和会だけじゃなく、自民党そのものの危機にある」
すでに、大野泰正・参院議員が5000万円、池田佳隆・衆院議員と谷川弥一・衆院議員は4000万円以上のキックバックを受けていたとみられると報じられているほか、5人衆の中でも松野、高木、世耕の各氏は1000万円以上の裏金があったと見られている。
岸田政権は過去最低水準の支持率にあえいでいる中で裏金疑惑という“爆弾”が炸裂し、国民の怒りと政治不信は頂点に達している。次の総選挙では自民党が厳しい状況に立たされるのは当然だろう。政治記者が語る。