違法薬物問題で揺れる日大アメフト部の「廃部」が、同大の理事会で決定した。ただし、いったん廃部にしたのちに、新しくアメフト部を作り直すことが検討されていると報じられている。
大学側は、一度は廃部方針が報じられたあと「継続審議」とすることを表明していた。だが「“継続審議”は形だけで、結局廃部とすることは既定路線だった」(大学関係者)という見方は多い。大学ジャーナリストの石渡嶺司氏がこう語る。
「12月6日に、薬物事件発覚後初めてアメリカンフットボール部員と保護者らを対象にした説明会が開催されました。参加した学生からは『もう一度チームを再開するチャンスを与えていただけないか』など意見や質問が出されたそうです。そうした廃部を考え直してほしいといった声や質問に対して司会者側は『次の人どうぞ』など露骨な“スルー対応”で、学生たちからも『あれは酷い』と憤りの声があがっていました。今回の判断は早計に感じます。
たしかに3人の逮捕者(それとは別に1人が書類送検)を出している状況ですが、警察の捜査はまだ継続中。逮捕されていない部員のなかにも大麻使用の疑いを持たれている選手もいます。全容解明がしっかりなされるべきで、それまでは解散すべきではない。さらに教育的な観点でいえば、監督、日大職員らにも責任はあるはずですが、それらの問題には何も触れず学生たちにだけ廃部という処分を下す姿勢は“尻尾切り”と見られても仕方がないでしょう」
80年以上の歴史を持つ名門・日大アメフト部をめぐっては、ネットで廃部撤回を求める署名が3万以上集められ、OBやライバル大学のアメフト部関係者からもそうした声が高まっていた。
そうした中、署名サイトにあるコメント欄の一番上に表示されたある書き込みが関係者の間で話題となっていた。