【週刊ポスト連載・医心伝身】25年ぶりに国内の20歳から79歳までの男性を対象に性機能障害の実態調査が実施された。結果はED有病者が約1400万人と推計され、高齢者だけでなく、20代の有病者が多数いることも判明した。婚姻カップルのセックスレスも70.4%だった。しかも性欲を全く感じないと回答した20代前半の男性は20%超存在し、日本人男性の性欲低下が証明される結果ともなった。
前回の全国的性機能障害調査はバイアグラ発売前年の1998年に実施された。当時、厚生労働省はEDを疾病と認定しておらず、それ以前は調査すらされなかった。
それが今年、25年ぶりに日本性機能学会が『性機能障害の全国実態調査』を実施、インターネットを介し、6228人から回答を得た。前回は30歳以上が対象だったが、今回は20歳以上79歳までが対象で、20~24歳、25~29歳と5歳区切りをし、居住地域も偏りなく割り振っている。
EDの有病率は勃起機能問診票(SHIM)で検討した。今回の調査は、このSHIMの合計点から重症度を判定するもので、22点から25点までがEDではないと判定され、点数が低くなるにつれ、重症度が高いことになる。
今回の調査委員長で、順天堂大学浦安病院泌尿器科の辻村晃教授に話を聞く。
「EDは近年、動脈硬化の症状の一つとして捉えられるようになっており、高齢化が進む日本においてはED有病者が増加していると推測されています。その推測どおり、今回の調査では軽度も含め、81.0%がEDと推計され、20~24歳でのEDが予想以上にいることも驚きでした」
さらにEDの簡易的検査で使用されるEHSという質問票でも有病率を調査。
EHSとは5段階でEDを判定するツールで「陰茎が大きくならない」はグレード0、「陰茎は大きくなるが硬くない」はグレード1、「陰茎の硬度はあるが挿入に十分でない」をグレード2として、2以下をEDと定義している。