警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、俳優の村杉蝉之介容疑者(58才)が逮捕されたことで再び注目を集めている、規制薬物の受け取り手段について。
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俳優の村杉蝉之介(本名・村杉友一)が麻薬特例法違反(規制薬物としての譲受)容疑で逮捕された。2022年11月から2023年1月中旬までの間、密売人から複数回、レターパックを使って大麻を受け取っていたという。
インターネットで知り合った密売人から、秘匿性の高いSNSで連絡を取っていたとみられる村杉容疑者。ネットやSNSでは大麻を”野菜”と呼び、密売人を”農家”という隠語で呼ぶ。覚せい剤は使うと体に冷たい感覚が走るということから”アイス”と呼ばれる。「昔は大麻を”葉っぱ”や”草”と呼んだが、今は”野菜”という隠語で売り買いされている」とある暴力団の幹部はいう。
若い頃は大麻も覚せい剤もやったことがあると話す幹部は、「今は一切薬物とは関係ないが」と前置きしてから、最近の売買方法について話してくれた。SNSが普及するのと時を同じくして、違法薬物売買も急速に変わったらしい。ヤクザ業界はそれでなくても、何をやれば自分たちの安全を確保しながらいち早く儲かるか、どのようにやれば逮捕されることなく大きく儲けられるか、日頃からアンテナを張り巡らすような人間が多くいる。
使われているSNSも様々あるといい、「連絡した痕跡が残らないアプリ、テレグラムなどが使われ、送信元はメッセージを送る度に偽装される」と幹部は話す。
インターネット上でメールやメッセージを送る場合、送信ドメイン認証(Sender ID)と呼ばれる送信元のドメインやIPアドレスを表示することで、迷惑メールやなりすましメッセージか否かを自動的に判別している。安全性のための技術で、メールやメッセージ本文とは別に付随する情報だ。そのSender IDを偽装する、任意の英数字を送信元Sender IDとして表示するテクニックがある。フィッシング詐欺はこれを利用した詐欺で、”スミッシング”と呼ばれている。違法薬物売買では、その都度、様々な国から発信されているように送信元が偽装されるという。料金が安く、迷惑メールなどで使われることが多いといわれる、海外の配信業者が使われるという。