さらに同ニュースでは、「下半身を撃たれている遺体や、胸を切り取られている遺体もある。血まみれの下着姿で亡くなっている女性も少なくない」という遺体安置所のボランティアスタッフの証言も伝えている。
イスラエルの警察当局も、襲撃の生存者からの証言映像を報道関係者限定で逐次公開している。その中にはハマスの戦闘員によって鬼畜極まりない「集団レイプ」が行われていたことを示すものもある。例えば、「証言者S」とされている女性の目撃談だ。
「その女性は背中から血を流していました。男は(行為を)終えると、彼女を抱き抱えるようにして別の男に渡しました。(中略)行為の途中で彼女の頭を撃ち抜いたのです」
襲撃事件から日が経つにつれ、ハマス戦闘員らによる凌辱行為の数々は、その細部まで生々しく浮かび上がりつつある。ただ、現状明らかにされているハマス戦闘員による性的暴行の事例は、「氷山の一角」という見方もある。中東事情に詳しいジャーナリストが話す。
「ユダヤ教の戒律では、遺体は死後できるだけ早く埋葬することが良しとされていることもあり、当局も詳しい検視を行う時間的余裕がないのです。また、厳格なユダヤ教徒のなかには、異教徒にレイプされたことを恥と考え、情報の公開を希望しない遺族も多い」
もはや人間の所業とは思えない残虐行為の数々は、まさに鬼畜そのものだ。しかし、ハマス戦闘員らをこうした行為へと駆り立てたものが何だったのか、その元凶もしっかりと分析しなければならない。同様の悲劇を繰り返さないためには、冷静な分析の必要性が国際社会にはあるのではないだろうか。