栗山英樹監督(62)といえば、大谷翔平(29)が「二刀流」を確立した当時の日本ハム監督で、今年3月のWBCでは侍ジャパンの指揮官としてメジャーリーガーの大谷やダルビッシュ有(37)、ラーズ・ヌートバー(25)らの参加を実現させた人物。大谷の大車輪の活躍で栗山監督率いる侍ジャパンは世界一に輝いたが、後任監督選びは難航を極めた。
最終的には井端弘和監督(48)が就任したものの、先行きはまだ不透明だ。連盟担当記者が言う。
「井端監督の契約は2024年11月のプレミア12まで。井端監督も“WBCの監督は今のところ考えていない”と就任会見で明言し、2026年のWBCの監督は白紙のままです。井端監督が“2024年オフまで”にこだわるのは、同年に3年契約の3年目を迎える中日・立浪和義監督(54)の後任候補とされているから。WBCまでに侍ジャパンの監督人事はもうひと山あるわけです」
後任候補としては複数の名前が囁かれている。WBCの日本ラウンドを主催するのは読売新聞社なので巨人前監督の原辰徳氏(65)を挙げる声もあれば、「(契約期間の)2年で勇退する」と明言している阪神の岡田彰布監督(66)の手腕を高く評価する人もいる。ただ、そうした名将の登板の可能性がある一方、本人が固辞するなかでの「栗山再登板説」も根強く残っている。
「原氏と岡田氏は実績十分ですが、2人に欠けているのはメジャー選手とのパイプ。今回、大谷やダルビッシュ、さらにはヌートバーまで参戦したのは、栗山監督の功績だった。特に大谷にとっては、二刀流やポスティングでのメジャー移籍を認めてくれた栗山監督は恩師。栗山監督以外なら、参加は実現しなかったかもしれない。
侍ジャパンの監督は采配というより、優秀な選手をいかに集めることができるかが勝負。だからこそ、本人が否定しているなかでも栗山監督が再び打診を受ける可能性は消えないのです」(スポーツ紙デスク)
注目されるのは、次回のWBCで大谷をめぐる状況が大きく変わっていることだ。今オフのドジャースへの移籍である。メジャーリーグに詳しいライターが言う。
「大谷が今回のWBCに参加できたのは栗山監督とのパイプもさることながら、大谷の意向を尊重するエンゼルスというチームに所属していたことが大きい。10年総額7億ドルでドジャースに移籍したことで、次回のWBCに参加できるかは不透明。高額契約での制約もあるし、右肘の手術の影響もどうなっているかもはっきりしない」