「孤独とか寝たきりみたいな報道もありましたが、決してそんなことはないんですよ。いまいる施設は清潔で管理も行き届いてるし、スタッフのかたたちがとても親切なんです。何より本人の表情が明るくなったし、楽しそうに過ごしていますから」
都内のグループホームに入居する中村玉緒(84才)の近況を明かすのは、家族ぐるみのつきあいがある知人のAさんだ。玉緒の夫で、1997年に下咽頭がんで亡くなった故・勝新太郎さんとも親しかったAさんは、現在も月に一度は玉緒と会っているという。
「先日も、玉緒さんの部屋に行って勝先生の写真を飾ってきたんです。事務所を整理したときに、先生とふたりで写っている夫婦写真を探したんですが、なかなか見つからなくてね。ようやく見つけた写真を持っていったら、すごく喜んでくれました。
普段はすっぴんですが、サインや写真をお願いすると、女優のスイッチが入るんでしょうね。キリっとした表情になるんです」
そう言ってAさんが見せてくれた写真には、凜としたたたずまいでカメラ目線を向ける玉緒の近影が収められていた──。
玉緒が同じマンションの別の階で暮らしていた長女のBさんと離れ、都内の別のマンションに転居したのは2022年春頃。周囲の反対を押し切って、自らの意思で選んだ“独居生活”だった。
「玉緒さんとBさんは、かつては『一卵性母娘』と言われるほど仲のいい親子でした。ところが、Bさんが玉緒さんの個人事務所スタッフの男性と結婚した頃から親子の関係に亀裂が入り、激しい口論になることも珍しくなかった。長男で俳優の鴈龍さん(享年55)が2019年11月に亡くなった後、Bさんの夫が勝さんの本名である奥村姓を名乗るようになったことにも複雑な思いを抱いていたようです。玉緒さんはBさんとまともに口もきかないようになり、飛び出すようにしてマンションを引っ越してしまいました」(玉緒の知人)
2年前の雑誌のインタビューでは《3年後くらいにポックリ逝けたら本望なんです》(『婦人公論』2021年12月14日号)と語り、YouTubeのパチンコ番組でも「ボケたら生きている意味がない」などと後ろ向きな発言していた玉緒。2022年に入ると、長年付き人を務めたスタッフが退社し、完全なひとり暮らしを始めてからは精神面でも不安定な状態が続いていた。
「物忘れが激しい上に、夜中に誰彼構わず電話をかけて突然泣き出したりと、以前の玉緒さんなら考えられないような行動を繰り返していたんです。2023年1月に登壇したトークイベントでは“田宮二郎さんとディズニーランドに行った”という真偽不明の思い出話を披露して、主催者側が慌ててNGを出すひと幕も。田宮さんはディズニーランドが完成する前に亡くなっているので、時系列的にありえないことですからね……」(芸能関係者)
事故が起きたのは、周囲が玉緒の体調を心配していた矢先のことだった。
「2023年2月に玉緒さんが仕事先の名古屋で転倒し、救急搬送されてしまったのです。背骨を圧迫骨折する大けがを負った玉緒さんは長期療養を余儀なくされ、翌3月に亡くなった義姉の扇千景さん(享年89)の告別式も欠席したほどでした」(前出・芸能関係者)