ハイヒールにミニスカートで『11PM』に登場すると「今の子は誰!?」とテレビ局に電話が殺到し、偶然放送を見ていた故・石原裕次郎さんから映画の相手役に抜擢されるなど、鮮烈な芸能界デビューを飾った由美かおる。当時、15歳だった。
73歳の現在も、エネルギッシュに踊り歌っていた当時の面影は健在で、『週刊ポスト』12月18日発売号の撮影でも、ひざ上丈のワンピースに12cmのピンヒールを颯爽と履きこなした。背筋が伸びた凛とした立ち姿は美しく、若々しい。
「そう、姿勢がとても大事なの。背筋をピンと伸ばすと一本芯が通って、気持ちもシャキッとするんです。生き方も前向きになって、それで若々しく映るんじゃないかしら。海外の方から“30代ですか?”なんて聞かれると、“本心なのかしら?”と疑っちゃうけど(笑)、元気で若々しいと言ってもらえると、嬉しくなります」(以下、由美)
聞けば、デビュー当時からスリーサイズが変わっていないそうで、10代のスタイルをキープしていることも若々しさの秘訣かもしれない。
「お洋服も若い人向けのほうが自分の体型に合うので、海外のファストファッション『ZARA』『H&M』などでピチピチのサイズを買っています。10代、20代の子たちに混じって、渋谷の『109』でショッピングすることも。最新のアイテムと長く大切にしてきたお洋服を組み合わせると、自分なりのファッションができて楽しくて。
最近では、体のラインをさらけ出すことで“私はこういうふうに生きたい”と、自己表現できることに気付きました。装いを通した自己主張というのかな。流行にあわせてビッグシルエットのお洋服を着た時代もありましたが、自分を隠してもったいなかったかもしれない。部屋着もピチッとしています。姿勢と同じで、体にフィットしたものを着ると、気持ちまで引き締まるんです。それが今もミニスカートを愛する理由でもありますね。70歳になってミニスカートを復活させ、思い切って、手持ちのロングスカートをすべて短くリメイクしちゃいました」
由美は70歳を契機にファッションだけでなく生き方を新たにしたという。長年、車移動が中心だったが、積極的に公共交通機関を利用するようにもなった。
「これまであまり触れてこなかった世界をいろいろ学びたいと思って、電車やバスにもよく乗るようになりました。もちろん、ミニスカートでね。ふふ。街で世代の違う店員さんとお話したりするのも刺激的。自分の固定観念が破られて、新しい自分に生まれ変わる気がするんです。そうやって世界が広がっていくとやりたいことも次々浮かんで、“人生はまだまだこれからね”って、つくづく思います」