「もし実現したら最高な紅白歌合戦」シナリオを作成

目指すは『いいとも特大号』か

『いいとも』に近づく『ラヴィット』

 両番組が目指すところは、かつて『笑っていいとも!』(フジテレビ系)が年末に放送していた『笑っていいとも!特大号』。同年末特番は、各曜日のレギュラー出演者が一堂に会する特別感があり、人気コーナーが一年を締めくくる特別仕様で楽しめる上に、「ものまね歌合戦」という目玉企画もありました。「一年見てくれた視聴者への感謝祭」をうたいつつ、夜の放送しか見られない人も楽しめる豪華さで、年末の風物詩となっていたのです。

 これらの点で『笑っていいとも!特大号』に近いのは、『ゴールデンラヴィット!』。平日の通常放送で、若手芸人、アイドル、アナウンサーの育成と他番組への供給を担っているところも含めて、『笑っていいとも!』に近づいてきていると言っていいでしょう。

 一方の『ぽかぽかゴールデン』は、まだ発展途上という段階。レギュラーメンバーを集結させなかったのは、計12人という少なさを踏まえると制作費の問題というより、人気や影響力の点で「全員集めても番宣の主演俳優にはかなわない」という判断でしょう。そもそも番宣は昼の本放送で行ってもらえばいいものだけに、「いかに次の一年間でレギュラーメンバーを充実させ、人気コーナーを作れるか」が問われそうです。

 日ごろ、同じ平日の日中で生放送している両番組が互いを意識し合っているのは間違いないでしょう。ただ、バチバチのライバルではなく、“帯バラエティの仲間”という関係性を感じさせるところがあります。

 実際、今年7月に『ぽかぽか』MCのハライチが『ラヴィット!』に生出演。“ぽかぽかポーズ”を決めたほか、名物コーナー「牛肉ぴったんこチャレンジ」のパロディを行い、最後も岩井勇気さんが視聴者プレゼントのキーワードに「#ラヴィットぽかぽか姉妹番組」をあげて円満な関係性をアピールしました。両番組は、報道・情報番組に囲まれる中で、笑いを追求した帯バラエティの同志であり、目指すところは同じなのでしょう。

 帯バラエティに限らずレギュラー番組の年末特番は、現在の人気を図るバロメーター。「今年どれくらいの人々からどれくらいの支持を得られたのか」「来年の放送にどれだけ期待できそうなのか」を局内外に示す機会だけに、内容の違いこそあれ、両番組ともに視聴率はもちろんネット上の盛り上がりを生みたいところでしょう。

 平日朝と平日昼の帯バラエティがそれぞれ人気を得ることで一年の締めくくりとなる年末特番が盛り上がり、さらに全体の年末特番ラッシュそのものも活気づけられるだけに、テレビ業界全体にとって注目の放送になりそうです。

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

麒麟の川島明などが「脱毛しました芸人」

『ラヴィット』司会の麒麟・川島

相方の澤部

『ぽかぽか』司会のハライチ澤部

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