平日帯バラエティの『ぽかぽか』(フジテレビ系)と『ラヴィット』(TBS系)が年末の夜に生特番化。連夜の放送となることから両番組の内容に注目が集まっている。目指すのはあの人気番組だった!? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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24日に『M-1グランプリ2023』(ABC・テレビ朝日系)が放送されるなど年末の特番ラッシュがはじまった中、目を引くのが25日・26日に連夜される帯バラエティ特番。まず25日に昼の帯バラエティ特番『ぽかぽかゴールデン』(フジテレビ系、19時~)が生放送され、翌26日に朝の帯バラエティ特番『ゴールデンラヴィット!』(TBS系、21時~)が生放送されます。
『ぽかぽか』と『ラヴィット!』の主な共通点は、「平日の日中に生放送している」「他局が報道・情報番組に偏る中、お笑い重視のバラエティにこだわっている」の2点。だからこそ年末ゴールデンタイムの3時間特番は大舞台ですが、連夜放送されるだけに比較は避けられないでしょう。
平日の日中に放送されている帯バラエティにとって、年末のゴールデン特番にはどんな意味があり、局と視聴者それぞれから何が求めているのかなどを掘り下げていきます。
ドラマ主演俳優VSレギュラー60名
年末特番の内容を見ると、局が制作サイドに求めているものが見えてきます。
まず25日に生放送される『ぽかぽかゴールデン』の目玉コーナーは、永野芽郁さんと松本若菜さん、桐谷健太さんと市村正親さん、中山秀征さんと井森美幸さんがゲスト出演する“ぽいぽいトーク”。
「〇〇っぽい」という勝手なイメージでゲストを深堀りするトークコーナーであり、永野さんと松本さんは来年スタートのドラマ『君が心をくれたから』(月曜21時)、桐谷さんと市村さんも来年スタートのドラマ『院内警察』(金曜21時)の番宣という目的を兼ねています。これは「年越しをはさむ1月期のドラマは番宣が難しい」と言われているだけに、早めにPRして期待感を高めておきたいという狙いによるものでしょう。さらに、視聴者へのクリスマスプレゼントをめぐるゲーム企画などもあるようです。
一方、『ゴールデンラヴィット!』は、「いつもの朝と変わらない おもしろい事をたくさんします」「曜日の垣根を越えた一夜限りのお祭り騒ぎ」というコンセプトで生放送。各曜日のレギュラーを中心に、昨年から10名増の計60名が集結して、連日放送されているゲームやライブなどが行われるようです。
『ぽかぽかゴールデン』が「番宣絡みの豪華キャストで盛り上げよう」としているのに対して、『ゴールデンラヴィット!』は「ふだんのメンバーを集結させて一年を締めくくる」というスタンス。そこに両番組の現在地点がうかがえます。
『ラヴィット!』は2021年春のスタートからすでに2年9か月が経過し、いくつかの人気コーナーがあり、固定ファンがいて、スピンオフ特番やイベントなども成功。年末特番は昨年に続く2回目ですが、しかも「ギャラクシー賞 月間賞」を受賞しました。
一方の『ぽかぽか』は今年1月にスタートしたばかりで、まだ「ぽいぽいトーク」以外の人気コーナーが固まっておれず、固定ファンを増やそうとしているという段階。また、本来なら年末特番は、曜日レギュラーを集結させたいところですが、発表されているのはアンジャッシュ児嶋一哉さんと花澤香菜さんのみに留まっています。