警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、ヤクザの世界で人間関係の誓いを交わすときに行われる「盃事(さかずきごと)」について。
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12月13日、六代目山口組は年末恒例の「事始め式」を静岡県で開いた。使われたのは、今年も浜松市にある傘下の二代目国領屋一家の組事務所だ。分裂抗争で神戸や名古屋の組事務所が使用できなくなってから、静岡県にあるこの組事務所が会合場所として使用されている。
数日前、ある暴力団関係者から「13日、水曜日は静岡で事始め式です」と連絡があった。以前は会合となれば開催場所の情報が外にもれないように、警察などに事前に察知されないよう、関係者らに聞いても「わからない」「聞いていない」という返事しかこなかった。だが今年は、まるでいつもの連絡事項を送っているだけというような印象だ。確かに事始め式に関しては、2021年から静岡県にあるこの組事務所が使われるようになっている。そのため静岡県警は警戒を強めているといわれている。
その事務所前は朝から物々しい雰囲気に包まれ、司忍こと篠田建市組長を始め幹部や直参組長らが続々と集まった。周辺の警戒にあたった静岡県警の捜査員らも、その顔ぶれを確認していたという。
事始め式では新年の挨拶が交わされるが、その年に代替わりして新しく直参となった組長と司組長が盃を交わす盃事も行われる。今年も代替わりした数人の組長が、盃事に臨んだと聞く。ここで司組長から盃をもらえるのは、直参という六代目山口組の二次団体の組長になる。2022年末から世間を騒がせた連続広域強盗団の主犯格「ルフィ」との関係で一時名前があがった福島連合も代替わりしているが、福島連合は六代目山口組の三次団体だ。上部団体は司組長の出身母体である弘道会のため、福島連合の組長は弘道会の組長と盃を交わすのである。